シンガポールの国家プロジェクトを
成功させ、次につなげる。
黒田 雄一
Yuichi Kuroda
国際事業本部 シンガポール営業所 チャンギ総合病院工事事務所
1995年入社/工学研究科 建築学専攻 修了
東京支店 昭和小学校建築工事事務所
建築本部 建築設計構造グループ
エスプラネードシアター工事事務所
ユニディ牧の原建築工事事務所
赤坂建築工事事務所
上落合建築工事事務所
東京建築支店 建築部横浜ベイサイドホテル計画
オーチャードターン工事事務所
ノヴィナホスピタル工事事務所
現職
シンガポールでは、人口の増加と高齢化が進んでおり、医療設備の拡充を国家戦略として推進しています。私が工事所長を務めるチャンギ総合病院もその一つで、シンガポール東部地域における医療の中核施設に位置づけられています。本病院は、地下2階、地上8階建てで282の病床を備え、隣接する2つの病院と連携することで、「救急の患者」から「リハビリを含めた長期療養患者」まで複合的に対応できるシンガポール初の病院になる予定です。
この病院を発注者が満足するよう完成させるため、工事現場全体の指揮者としてタクトをふるのが、工事所長の役割です。さらに当現場は3次元モデルで建物の設計・施工・維持管理までの情報を共有する『BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング』を導入し、施工図の作成ならびに図面の調整を行う初めての現場であったため、専門チームの編成やメンバーのスキル育成にも携わりました。
とはいえ、海外で初めて工事所長を務める私は、責任の重さを常に感じながら仕事に当たりました。この工事は工期が短い上、建設途中でいくつもの設計変更が発生し、設計事務所や協力会社と日々細かな調整、確認作業に追われました。その都度、2014年内病院開業というプロジェクトとしてのゴールに一歩でも近づけるように、現場のスタッフ、発注者、設計事務所ならびに協力会社とチームとして一歩ずつ前に進みました。
この現場で働くスタッフは、約55名でした。シンガポール人だけでなく、インドやミャンマー、フィリピン、バングラディシュなど、我々日本人と同様に海外から来ているスタッフです。このように国籍も違えば、文化、慣習も異なる大勢の人たちをまとめて、「同じゴールを目指すチーム」へと変えていくのは簡単なことではありません。ここに、発注者や設計事務所、現場作業を担う協力会社など、外部の関係者も大勢加わります。皆、それぞれに工事に取り組む姿勢が違うため、プロジェクト開始当初は意見の相違もありましたが、工事を進める中で意見交換しながら信頼関係を一つずつ築いていき、一つのチームとしてまとまりをもってきました。一つの情報を共有するという単純なことでさえ、言語や文化が違うと、日本のようにあうんの呼吸は通用せず、行き違いが発生することもあります。ちょっとした認識の違いや判断ミスでプロジェクトが誤った方向へ向かうこともあります。
先ほど「タクトをふる」といいましたが、海外で現場を仕切るということは、決して軽やかなものではなく、ときに重く、ときに泥臭い作業の連続です。プロジェクト・マネジメントというのは、それくらい責任ある仕事です。
シンガポールで五洋建設がこれほど多くの現場を任されているのは、その道を切り開いた大勢の先輩方がいるからです。彼らに少しでも近づき、きちんと次につなげていきたい…。そう考えると、私はもっと成長しなければいけないと思っています。その先の向こうにもっと進んでいこうと思います。
工事事務所にいる間は、各部門の担当者が質問や承認をもらうため、次々と声をかけてくる。
工事、工務、品質、見積など、各部門担当者を交えてミーティング。前日までの進捗状況と、スケジュールを確認する。
工事事務所から現場までは歩いて5分ほど。現場の状況を自分の目で確認するために、ここを1日に何往復もする。
作業現場で気になることを見つけたら、すぐに現場担当者や協力会社の責任者に確認。即時対応がスムーズな進行を支えている。
2001年4月、エスプラネードシアター建設中のスタッフと。
2001年、完成間近の「エスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイ」。
対岸にも、2011年に当社が手掛ける「アートサイエンス・ミュージアム」が建つことに。
2014年7月7日。家族でローカルスタッフの結婚式のパーティーに参加したときの一枚。
「スマホのメモアプリ」
日々、膨大な「やるべきこと」を着実に遂行すべく、通勤バスの中で「to DOリスト」を作成。
シンガポール観光の中心地、マリーナ・ベイのウォーターフロントにある「エスプラネードシアターズ・オン・ザ・ベイ」。コンサートホールや劇場などを備えた人気スポットの一つで、ドリアンを模した外観でもよく知られています。入社4年目の私にとって、この建物が初の海外プロジェクトでした。1998年から足掛け3年、完成を迎えて帰国するときは、とても感慨深いものがありました。
それから8年後、再びシンガポールで建築工事に携わることになり、真っ先に訪れたのが、エスプラネードシアターでした。竣工当時を思わせるほど、メンテナンスが行き届いている姿に嬉しさがこみ上げてきただけでなく、コンサートホールで音楽鑑賞をした際に、多くの市民が美しい音色に耳を傾ける姿を目にして、心から「この建物の建設に関われてよかった」と思いました。
黒田より応募者の皆さまへ。(動画 1:58秒)
※内容はすべて取材当時のものです。
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