日系企業の工場やプラント建設が中心

現在、インドネシアで進めているプロジェクトは、日系企業からの発注を中心とした工場新設や増設、プラント建設にともなう土木工事案件が中心です。日本国内で築いたお客様との信頼関係をベースに、お客様がインドネシアへ進出する際、その施設建設工事を請け負うケースが多いのですが、近年はインドネシアで当社が手掛ける工事品質の高さが口コミで広がりつつあり、国内ではお付き合いのなかった新規顧客の獲得も拡大しています。

一方、公共工事の実績は、シンガポールや香港に比べて少ないのが現状です。しかし、2014年に大統領に就任したジョコ・ウィドド氏が「海洋国家」というキーワードを強く打ち出したことで、今後は数多くの海上土木工事の実施が予想されます。こういった海上土木プロジェクトをいかに獲得していくかが、今後インドネシアにおける戦略の大きな鍵の一つとなっています。

五洋が得意とする海上土木工事が急増

インドネシア共和国は、大小1万3000以上の島々によって構成されており、その国土は東西5110kmにも達する島国です。主要な産業は農業ですが、鉱業資源も豊富で、さまざまな原材料や食糧、資源を海外へ輸出しています。そのため、国は海運網の整備・強化を急務の課題と設定して、主要24港を中心に巨大なタンカーなどが停泊できるよう港周辺の水深を深くしたり、拡張したりといった港湾整備事業を推し進めていく方針を打ち出しています。また、洪水など、水害による被害も後を絶たないことから護岸工事など災害対策の必要性も高く、この方面での公共工事も増えていくことが予想されます。

これら港湾整備や海上土木は、五洋がもっとも得意とする分野であり、浚渫船をはじめとした特殊な船を多数保有している点も強みになります。しかし、公共工事の受注にはインドネシア国内に強いネットワーク網を持つ現地大手企業とのパートナーシップが不可欠であるため、現在、現地企業との対話を熱心に進めているところです。

付加価値の創造に尽力

インドネシアでは、現場所長などはローカルスタッフに任せて、日本人スタッフは工事全体の進捗管理や現場と発注者との橋渡し役を主に担っています。これは、日系企業の工事案件が中心ということもあり、発注者の要望にきめ細やかに対応するには、日本人スタッフが窓口を務めたほうがスムーズだと判断した結果です。また、付加価値を創出する業務こそを日本人スタッフに期待しているからでもあります。日本人スタッフは、一つの現場に常駐するのではなく、現地企業、インドネシア政府とのネットワーク構築など、今後インドネシアで事業を拡大していくための土台づくりを重点的に行っています。

国が大きく発展していく様をその渦中で体験できる

海外勤務を希望する若手には、早い段階で海外を経験してもらいたいと思っています。海外の協力会社や作業員と協力しながら工事を進める難しさや醍醐味を味わったり、建設業の基礎を実地で身につけたり、苦労もありますが達成感も感じられます。インドネシアは、今後さらなる経済成長が期待されている国で、建設業も活気づいています。一つの国が大きく発展していく渦中に身を置いて、建設という側面からその発展に寄与するチャンスは、そうあるものではありません。一緒にインドネシアで働いてみませんか。

Penta-Ocean(五洋建設)で働くようになって、日本人には見習うべきところがいろいろあると感じています。まず非常に礼儀正しい。仕事に対してとても真面目で、いいものをつくりたいという強いこだわりを持っています。細かいところまで目配りして、妥協しない姿勢には学ぶべきところが多々あります。この思いは、2013年、研修のために日本へ行き、工事現場を見学したときに、より深いものになりました。技術力の高さはもとより、安全管理の徹底や工事のスピードの速さ、さらには現場をきれいに保つため、清掃にまで気を遣っているなど、驚くことばかりでした。この刺激的な経験は、私を成長させたと実感しています。

私は現在、自動車部品工場建設プロジェクトのプロジェクト・マネージャー（PM）を務めているのですが、日本での経験で得たものを実践しようと努力しています。高い工事品質を要求される五洋の工事現場での責任と、高い技術知識、現場管理能力が求められるポジションを任されることが、大きな励みになっています。