CORE 02 "Honesty"
信頼関係がもたらすシンガポールの国作り
Nation-building of Singapore
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催決定など、国内建設投資の増加が見込まれる状況で、売上げの伸長と収益性の確保という点から将来を見据えると、国内のみならず世界の建設市場でいかに戦うかを考えることは重要な戦略と言えます。現在、当社の海外事業は、東南アジアを中心に展開していますが、その一大拠点がシンガポールです。1964年に始まった当社とシンガポールの関係は、50年の時を経た今日、その規模を大きく拡大させています。では、当社とシンガポールの関係をお話ししましょう。
1965年に英国から独立したシンガポールは、淡路島ほどの限られた国土の中で、政府主導により徹底した外資導入による産業拡大と住宅整備政策、そして国土開発事業が進められています。とりわけ産業基盤を整備するためには、海上を埋め立て、国土を拡張し、石油化学コンビナートや港湾施設、空港を建設することが急務でした。当社は1964年、ジュロン造船ドッグおよび岸壁建設工事を受注することによって、シンガポールでの活動をスタートさせたのです。
なかでもスエズ運河に次ぐ大型工事として、またシンガポールでの飛躍の鍵となったのが、世界のコンビナート群を立地させるための「チュアス埋立工事」です。1984年、埋立造成工事としては世界最大規模の約700億円という大型案件を、シンガポール政府公社から単独受注しました。その後も埋立浚渫工事では、数百億円規模の大型受注が続いています。
シンガポールの国土は、約25%が埋立地です。その内の約40%以上、即ち国土の1割近くが五洋建設の埋立工事によって作られたものです。さらには、地下鉄や高速道路、下水道、トンネル、コンテナターミナルの造成工事など、国土発展の基盤となる数多くのプロジェクトを手掛け、シンガポールの国造りに大きく貢献しています。
建築分野でも、1983年には「シム・リム・スクエア・ビル」という当社として海外初の大型商業ビルを受注したのを皮切りに、オフィスビル、コンドミニアム、ポストセンター、病院など、建築工事でも五洋建設はシンガポールで高い評価を受ける企業として発展を遂げていきます。