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このページは、ホームの中のソリューション・技術の中の技術一覧の中の土木技術の中の地盤改良 質問箱 データベースの中の液状化・地盤沈下に関する質問のページです。

再液状化対策について

一度液状化した地盤は再液状化に対する抵抗が増すと聞きました。大きな地震で液状化被害のあった場所ではもう液状化対策を行う必要はないのですか?

一度液状化した地盤では密度が増加しますので、一般に再液状化に対する抵抗力も増加します。しかし、地盤が均一でない場合が多く、地盤内の全てで密度が一様に増加するわけではありません。また、地震動の継続時間や地震後の地盤の残留変位など複雑な影響が含まれるため、大きな地震で液状化被害のあった場所でも、再液状化の危険性が全くなくなったとは言い切れないのが現状です。
実際、表-1に示すように、一度液状化した地盤が再液状化したという事例があります。これらの事例では、地表面での最大加速度(αmax)が過去のそれより小さいのに、再度液状化が起こっています。したがって、一度液状化しているところだからと言って、液状化について全く検討しないのは危険です。ボーリング調査などを行い再度液状化対策の必要性を検証し、液状化対策の必要性があると判断される場合には、構造物の重要度に応じて地盤改良などを行う必要があると考えます。

表-1 再液状化事例

再液状化地点 液状化履歴 地震名 M αmax(Gal)
青森県
中里町
過去の液状化
再液状化
日本海中部本震(1983)
日本海中部余震(1983)
7.7
7.1
278
109
青森県
青森市
過去の液状化
再液状化
十勝沖(1968)
日本海中部本震(1983)
7.9
7.7
213
116
サンフランシスコ市 過去の液状化
再液状化
サンフランシスコ(1906)
ロマプリエタ(1989)
8.3
7.1
300
150

田畑だったところに家を建てる場合の沈下対策

田畑だったところに家を建てようと思うのですが、工務店の方に沈下が心配と言われました。どのような対策が必要でしょうか?

田畑として使われていたところは、一般的に、軟らかい土砂が堆積しています。その上に家などの建物を建てると、その建物の重さで、建物直下の軟らかい土砂が変形や沈下してしまい最悪の場合、建物が傾き、建物の壁に亀裂が入るなどの被害となってしまいます。
ここのような被害を抑えるために、建物直下の基礎となる土砂(地盤)を硬い土砂に変える必要があります。では、どのような方法で変えることができるのでしょうか?

1.転圧方法
この方法は、軟らかい土砂に力を加えて硬い土砂にするという方法です。地盤の上に重量の重い機械(ブルドーザーなど)を何度も往復して走行させることにより地盤は硬くなります。これは、一般に道路などを造るときに行われる方法と同じです。通常の2階建て程度の家であれば、この方法で十分でしょう。

2.置換方法
この方法は、軟らかい土砂を取り除いて、硬い良好な土材料と置き換える方法です。表面の深さ1.0〜3.0m程度の深さの軟らかい不良な土砂を取り除き、良好な硬い土砂(石・礫の多い土)を加えることにより建物の重さに耐えることができる地盤を造ります。置き換える面積が小さく、良好な土砂が手に入りやすく、取り除いた土砂の使い道がある場合には非常に手軽で有効な方法です。

この他に、セメントで砂を固める方法などがありますが、改良費用は高価になります。通常は地盤の調査を行うことで最適な方法が求まりますので、業者の方とご相談ください。

有限要素法をわかりやすく言うとどういう手法ですか

地盤沈下等を予測する手法で有限要素法がありますが、わかりやすく言うとどういう手法ですか?

有限要素法(FEM:Finite Element Method)とは解析の対象となる物体を、三角形や四角形あるいは六面体などの「要素」に分割して計算する近似解析手法です。これらの要素はとても単純な形状をしているので、要素境界に外力が加わった際に、どのような形に変形するのかは変形を支配している方程式をPCで解くことによって求めることができます。どのような複雑な形状であっても、メッシュ(要素)さえ切れれば解析可能であり、メッシュを細かくするほど解析精度が向上します。こうして変形した要素を全部組み合わせることにより、自動車や機械部品などの複雑な形状をした物体の変形が計算できるのです。要素の数は数百個程度の場合もありますが、場合によっては数十万個にもなることがあります。しかし数に限りがあることに変わりはありません。有限要素法という名称の由来はここから来ています。応用分野は、機械・土木・建築などの構造解析(静的・動的)などに留まらず、流体、熱を始めとして、多くの分野で使われています。(参考文献:地盤技術者のためのFEMシリーズNo.1はじめて学ぶ有限要素法、地盤工学会など)

丈夫な土地と軟らかい土地を跨いで家を建てます

2階建ての木造住宅を建てたいのですが、南海大地震の時でもびくともしなかったと言う丈夫な土地と、田んぼをつぶして宅地にした隣の土地の両方をまたぐような設計を考えています。当然、埋立地の方は地盤改良を考えていますが、比較的丈夫な土地の方はそのままで問題ないでしょうか?不同沈下しませんか?

丈夫な土地と軟らかい土地の上に家を建てると将来的に片方の沈下が進みいわゆる不同沈下の原因となります。確かに対策が必要なようですね。
地盤改良にもいろいろあります。
この様な場合、一番おすすめなのは、置換工法という方法です。
家の下になる部分の、田んぼの悪い土を取りさって、丈夫な土を出します。この掘ったところを割栗石(げんこつ大の砂利)で埋め直す方法です。
こうして丈夫な石に置き換えれば、将来的な沈下は小さくなります。また、沈下が気になる場合、基礎をベタ基礎と言う方法にします。ベタ基礎は、接地圧を小さくでき、沈下に強い基礎形式と言えるでしょう。

河床の液状化防止の工法について教えて下さい

河床の液状化防止の工法について教えて下さい。川幅は9m程度で、水位は4m程度です。なお、環境に配慮した工法でお願いします。

液状化対策として一般的な工法は、以下の3つがあります。
1)サンドコンパクションパイル工法
2)プラスチックドレーン工法
3)深層混合処理工法
しかし、上記3つの工法は、大型重機を使用するため、ご質問の条件では困難と考えられます。
弊社で開発しました既設構造物直下の液状化対策工法「浸透固化処理工法」では、小型の機械で、河川の堤防から施工が可能であり、使用する材料は安全性に優れたものであり、現条件では最適かと思います。
詳細については、弊社のホームページもご覧ください。
http://www.penta-ocean.co.jp/business/tech/civil/ground/penetrate.html

震災後、家の揺れがひどくなり困っています

H12年3月に新築しましたが、H12年10月の鳥取西部地震で被災しました。次のデータをご覧頂きアドバイスをいただければ幸いです。

建築地 休耕田を1〜1.5m埋立造成された5区画の内の1区画。昔の海と陸の境
周辺環境 江島工業団地(浚渫土砂?による埋立地)に隣接。
それと民家の間に旧運輸省による工事とおもわれる道路あり(所管:島根県⇒八束町)。現在江島架橋工事中
建物 木造総2階建て、布基礎、基礎下に鋼管杭打ち地盤改良
※(隣家:表層改良・ベタ基礎)
地震被害
  1. 建物の傾斜(市販傾斜計で1〜1.5°西高東低)
  2. 一部の基礎下(逆T字の下)の土砂が10消失し真っ暗な空間があった。
  3. 非基礎部(束・束石)の浮上り=非基礎地盤の沈下による床の撓み
  4. 建具の不具合等   ※(隣家:被害無し)
地震後
  1. 交通振動・工事振動・架橋工事建設機械の移動時の振動がリアルに伝わってくるようになり、建物が下から突き上げられるようなひどい揺れがある。
  2. 台風・強風時に家が揺れる。極端に例えるとJRの振り子式電車に乗っているような感じである。
  3. 数ヶ月ペースで定期的に床鳴りがし、その都度、鋼製束のナットを締めて調整している。非基礎部地盤が、振動でじわじわと沈下しているのか。

相談:

  1. 阪神淡路大震災以降の住宅建設において、液状化予測・対策は考慮されないのだろうか?
  2. 住宅メーカーは天災は免責というが全てそうなのか?
  3. 原形復旧するには?費用は?

八束町では、鳥取西部地震で大変な被害がでたと聞いております。 さて、ご質問の件ですが、これも難しい問題ばかりです。

1)一つ目の質問ですが、確かに兵庫県南部地震の後は、液状化に関して多くの知見が得られました。そのため、いくつかの調査をすることで、地盤が液状化するかどうかの判断は、可能な状態にありました。しかしながら、公共構造物以外では、法的に液状化の判定をしなくては建築してはいけないと言う法律は出ていないようです。また、液状化対策の有無、および施工法は、通常、施主の判断に任されます。大変心苦しいのですが、当時は、鳥取で大規模な地震が起きることは大勢の研究者も想定していなかったと思います。

2)住宅メーカーの免責に関しては、契約書に基づくのではないかと考えております。これも心苦しいのですが、一般的には、地震や水害などの天災は、メーカーの保証には、含まれていないようです。このため、これらの心配がある場合、地震保険などにはいるのが一般的なようです。

3)原型復旧に関する費用にかんしては、まず、振動が大きくなった原因を明確にする必要があります。ご連絡の情報だけでは、正しい判断をすることはできません。このため、以下は、ご呈示の情報からの推測でしかありません。ご自宅の基礎は、鋼管くい打ちの基礎と言うことですので、おそらく、固い地盤まで杭が打ち込まれていると思います。この基礎構造は、おそらく住宅基礎としては、大変しっかりした部類にはいると思います。ただし、地盤が液状化した場合、建物は、杭に支えられても、地盤は沈下しますので、建物と、地盤の間に隙間が出来ている可能性があります。ご観察でも、そのような状況が確認されているようですね。このような状態で地盤と建物の間に隙間ができたことが、振動を大きくする原因ではないかと推測できます。この場合、地盤と基礎の間の隙間をモルタルなどで埋める対策を検討してはどうかと考えます。ただし、この他にも住宅の構造自体が地震の衝撃でゆるんだ可能性などが考えられます。施工費用も含めて、建設業者の方と相談されてはいかがでしょうか?



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