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このページは、ホームの中のソリューション・技術の中の技術一覧の中の土木技術の中の地盤改良 質問箱 データベースの中の住宅建設に関する質問のページです。

良い土地かどうか調べる方法はあるのでしょうか

土地を購入しようと思います。良い土地かどうか調べるためにはどのような方法があるのでしょうか?

一般的に『良い土地』を購入しようとすると、インフラの整備状況や日当たり、駅の近くなどという立地条件の良し悪しなどに注意が向いてしまいがちです。しかし、本当に『良い土地』かどうか判断するための基準には、地盤の下の状況がどうなっているか知ることも重要です。表面は堅そうな地面であっても、昔は沼地だったなどと言う場合、地面の下にやわらかい粘土がありますので、家を立てた後で沈下などの問題が生じます。

それでは「地盤調査」とは一体何を調べるのでしょうか。
仮に、ある地盤に建物を造る場合、その土地には地耐力が求められます。簡単にいえば、建物を支える強さが地盤にあるかどうかを調べるということです。

通常の家を建てる場合には、現位置の調査が有効です。なかでも、スウェーデン式サウンディングと言う方法は比較的安価に行うことができ、地盤の下数メートルの状況を知ることができる方法としてお勧めできます。
また、工場跡地などでは、重金属などにより土壌が汚染されていることがありますので、土地の履歴を知ることも重要です。

家を新築しようと思うのですが布基礎とべた基礎の違いは何ですか

家を新築しようと思うのですが、地盤を調べてもらったところ、布基礎よりべた基礎の方が良いと言われました。べた基礎には、どのような効果があるのでしょうか?

べた基礎は、布基礎より広い面積で建物を支えるので地盤が弱いところに建物を建てる場合に利用されます。地震などの被害に強く、さらにコンクリート版により地面と建物を遮断するので地面からの湿気を防ぎやすいという利点があります。
基礎の役割と種類について考えてみましょう。「基礎」とは建築物に作用する荷重(自重)および外力(地震・風力)を安全に地盤に伝えるために設けられる下部構造の総称のことです。基礎の種類は大きく分けて、直接基礎、くい基礎等に分類され、この直接基礎のなかに布基礎・べた基礎があります。布基礎は、柱列や壁下に沿って長さ方向に同断面幅で連続している基礎、また、べた基礎は、建物全体を1枚の板状のコンクリート板で支える基礎です。
専門的な言葉ですが、地盤の支持できる強さを地耐力と言います。布基礎にする場合には、この地耐力がおおよそ30kN/m2以上あることが必要です。また、近年では地震などに備えて、べた基礎を勧められる工務店の方も多いようです。

地耐力 基礎の形式
20kN/m2 未満 基礎ぐい
20kN/m2 以上 30kN/m2 基礎ぐいまたはべた基礎
30kN/m2 以上 基礎ぐいまたはべた基礎
または布基礎

田畑だったところに家を建てる場合の沈下対策

田畑だったところに、家を建てようと思うのですが、工務店の方に沈下が心配と言われました。どのような対策が必要でしょうか?

田畑として使われていたところは、一般的に、軟らかい土砂が堆積しています。その上に家などの建物を建てると、その建物の重さで、建物直下の軟らかい土砂が変形や沈下してしまい最悪の場合、建物が傾き、建物の壁に亀裂が入るなどの被害となってしまいます。
ここのような被害を抑えるために、建物直下の基礎となる土砂(地盤)を硬い土砂に変える必要があります。では、どのような方法で変えることができるのでしょうか?

1.転圧方法
この方法は、軟らかい土砂に力を加えて硬い土砂にするという方法です。地盤の上に重量の重い機械(ブルドーザーなど)を何度も往復して走行させることにより地盤は硬くなります。これは、一般に道路などを造るときに行われる方法と同じです。通常の2階建て程度の家であれば、この方法で十分でしょう。

2.置換方法
この方法は、軟らかい土砂を取り除いて、硬い良好な土材料と置き換える方法です。表面の深さ1.0〜3.0m程度の深さの軟らかい不良な土砂を取り除き、良好な硬い土砂(石・礫の多い土)を加えることにより建物の重さに耐えることができる地盤を造ります。置き換える面積が小さく、良好な土砂が手に入りやすく、取り除いた土砂の使い道がある場合には非常に手軽で有効な方法です。

この他に、セメントで砂を固める方法などがありますが、改良費用は高価になります。通常は地盤の調査を行うことで最適な方法が求まりますので、業者の方とご相談ください。

土地が砂地では建築は困難ですか

土地が砂地では建築は困難ですか。

そんなことはありません。

砂地盤は建築後の将来的な沈下も少なくビルなどの大きな荷重にも耐えられる、建築基礎には適した地盤です。ただし、そんな地盤で一つ問題があるとすれば液状化です。公共の工事の場合、1.砂地盤ある、2.地震の恐れがある、3.地下水面が地表から10m以内にある場合には、液状化の可能性の検討を実施します。上記の3つの条件に当てはまる場合、建築業者に相談してみてはいかがでしょうか?

建物底盤の半分が軟弱地盤に浮いた状態となる場合の沈下対策

ある地盤に建物を建てる際、表層から数メートルは軟弱地盤でその下層に支持地盤があるとします。建物は長辺方向で数十メートルの規模です。支持地盤は建物底盤に平行でなく、傾いています。施設の底盤はその長辺方向の距離で約半分は支持地盤に岩着するのですが、約半分は浮いた形となります。このとき、浮いた部分の置換や改良が考えられると思いますが、どのような手法がありますか。

この様な比較的浅い部分の改良ですから、何らかの材料による置換工法が最適だと思います。置換する場合、以下の3つの方法があります。

  1. 良質土による置換:安価ですが、締め固めの管理が必要です。良質土の購入と掘削土の残土処分が必要となります。
  2. セメント混合処理土による置換:現位置土にセメント添加をすることにより堅固な地盤をつくります。均質なセメント添加を行う必要があります。セメント材料は10円/1kg程度ですので、m3当たり100-200kg
  3. コンクリート置換:最も堅固な地盤となります。コンクリート購入と残土処分が必要になります。施工価格に関しては、現地の物価(材料や残土搬出処分)と必要な強度によって大きく異なります。

木造2階建て住宅で地盤改良が必要な場合を教えてください

愛媛県で木造2階建ての地盤を調査(スウェーデン式サウンディング法)したところ、改良したほうが良いと言う解答がでました。一般的に地盤改良が必要なところを教えてください。

特に、愛媛県の土地で地盤改良が必要と言うことはありません。地盤改良が必要なところとは地耐力が小さい地盤です。
スウェーデン式サウンディングを実施している場合、表の中にWswとNswという2つの表示があるはずです。この2つは土の中の強さを深さ1mごとに表しています。地盤中のほとんどの点で、Wswが100kg(=1,000N=1kN)を越えていれば、あるいはNswが1を越えていれば、おおよそ3t/m2以上の地耐力はあると考えて良いでしょう。ただし、がけ地で土を取って、その土を半分盛り土して造成された地盤や数mを越える高い擁壁の上に造られた地盤などでは、Wswが大きくても、地盤改良が必要な場合があります。
信頼できる業者と相談されることを強くお勧めします。
また、液状化が発生する地盤は、砂地盤で地下水面が地表近くにある地盤です。多くは、埋め立て地や河川の近傍の土地です。芸予地震では液状化が発生した地盤はほとんどが埋め立て地や干拓地でした。これらにあてはまる場合には、業者とご相談下さい。

愛媛県は地盤改良しなければならないほど地盤が弱いのでしょうか

愛媛県の地盤について質問致します。

  • 一般的に愛媛県は地盤改良しなければならないほど、地盤が弱いのでしょうか?
  • 特に松山市近辺で不同沈下や流動化現象の起きる地域があるのでしょうか?

地質会社に調査させたところ(スウェーデンシキサウンディング法)ところ改良したほうが良いと言う解答がでたのですが、建物は木造2階建です。

特に、愛媛県の土地で地盤改良が必要と言うことはありません。
地盤改良が必要なところとは以下のように地耐力が小さい地盤です。
(1)田や湖沼などを埋め立てられた地盤
(2)十分締め固めずに盛り土(もりつち)により造成された地盤
反対に、山を削って造られた地盤や砂地盤、前に家が建っていた所などでは、ほとんどの場合、地盤改良は不要だと思います。木造家屋2階建においては地耐力2t/m2程度が必要です。スウェーデン式サウンディングを実施している場合、表の中にWswとNswという2つの表示あるはずです。この2つは土の中の強さを深さ1mごとに表しています。地盤の中のほとんどの点で、Wswが100kg(=1000N=1kN)を越えていれば、あるいはNswが1を越えていれば、おおよそ3t/m2以上の地耐力はあると考えて良いでしょう。
ただし、がけ地で土を取って、その土を半分盛り土して造成された地盤や数mを越える高い擁壁の上に造られた地盤などでは、Wswが大きくても、地盤改良が必要な場合が時々あります。信頼できる業者と相談されることを強くお勧めします。
また、液状化が発生する地盤は、砂地盤で地下水面が地表近くにある地盤です。多くは、埋め立て地や河川の近傍の土地です。芸予地震では液状化が発生した地盤はほとんどが埋め立て地や干拓地でした。これらにあてはまる場合には、業者とご相談下さい。

土地の道路境界から5mの範囲で地耐力が不足しているのですが

先日、ある土地について地盤調査を行いましたが、道路から5m辺りまでの地盤が弱い事が判明しました。
土地は、道路より1.5m高く、道路を造った段階で(購入した)土地側にも深く掘り込む事があるので、それが原因では無いか?との事です。
「硬化剤を混ぜた土を弱い部分にだけ混ぜて強度を持たせる方法でも、大丈夫だとは思うが、工学的保証が無く、長年の感でやるので、出来れば、筒を打ち、中に硬化剤を混ぜた土を入れる方法(鋼管工打設工法?)が、10年保証が付いているので良いでしょう」と勧められましたが、価格的には大きく違うと言われました。周りは30年近く前から開けてきた住宅街で、購入した場所は長い間空き地になっていた所です。
基礎はベタ基礎の予定なのですが、勧められている方法の方が、確実なのでしょうか?土地は40坪、1階建坪は22坪(駐車場含む)ですが、改良工法の値段はどれくらいの格差があるものなのでしょうか?また工法としてはこの2種類しか無いのでしょうか?

ご質問の件、お困りだろうと思います。
ご質問の内容は、道路境界から5mの範囲で、地盤の支持力が足りないことだと考えております。対策工法として、以下の二つをお考えなのですね。

  1. 砂と硬化剤の混合土による埋め戻し
  2. 鋼管工打設工法

お話から考えると、比較的安価な方法として、以下のことが考えられます。
地面から2〜3m程度の土が悪いのならば、

  1. 緩い土が砂のように粒状ならば、もう一度緩い部分を掘ってローラーで締め固める。
  2. 緩い土が粘土の場合、土を掘って、敷地の外に捨てて、再生砕石などの良質な石で置き換える。
  3. 土の処分費用が高価な場合、土にセメントを混ぜて重機を使って埋め戻す。

これらの方法でも、新築の家が2階建て程度でしたら、比較的安価に頑丈な地盤にすることができ、1立方m当たり1万円前後の費用ですむと思います。

もう少し情報を頂ければと思います。

  • 支持力が足りない深さは地面からどのくらい下までか?
  • 軟弱な土は、砂・粘土・ローム(オレンジ色の土)のいずれでしょうか?
  • 建物は、平屋2階建て程度でしょうか?

また、業者の方とよく話し合うことをお勧めします。

レンコン畑の上に家を建てる際の地盤改良方法

土地を購入し家を建てる予定です。その土地は、もともとレンコン畑だったところらしいのですが、地盤が軟弱らしく、家を建てるときには杭打ちをしたほうがいいといわれていました。ある住宅の会社からは、他に地盤改良の方法があるといわれました。方法としては、1メートルほどほり、コンクリートと混ぜて埋めなおして地盤を強くすると言うものです。これにすると、料金的にも3分の1になるのでそうしたいのですが、これで本当に地盤が改良されるのか心配です。もし、家を建てて家が傾いたりしたらと思うと、高くても杭打ちの方がいいのかと思っています。レンコン畑のような軟弱地盤が1メートルほどコンクリートを混ぜただけで、改良されるのでしょうか?教えてください。

地盤改良は思ったよりお金がかかりますが、しっかりした地盤に家を建てることは安全の面からも大事なことですね。業者の提案は以下の2案ですね。
(1)杭基礎にする。
(2)セメント混合処理土で1m迄の深さを置き換える。

2案の1mというのが微妙です。地下の状態がわかりませんので、何とも言えませんが、調査を行ってみるもの一案です。費用はかかりますが、軟弱な粘土が何mあるのかを知ることは重要です。軟弱な層が1m程度で、あとは普通の土であるならば、2案を支持します。固化処理工法はしっかりした工法ですから、安心できます。その際に気をつけることは以下の2点です。
(1)しっかり掘って置き換える部分を地上に小山にしてから固化材を添加して重機で混ぜること。
安直なやり方で、地面にセメントを振りかけて、重機で混合する業者もいますが、これでは良い地盤は出来ませんので、気をつけて下さい。施工しているところを見るのが重要です。この際、掘ったところがしっかりしていることを目視で確認して下さい。
(2)軟弱な層が思ったより深く、完全に置き換えが出来ない時は基礎自体をぬの基礎ではなく、ベタ基礎にすることをお勧めします。ベタ基礎に関しては、こちらを参考にして下さい。

もう一つ参考に、悪い土を搬出して、良好なレキ材で置き換えることも3案として検討してみてはいかがでしょうか?搬出費とレキ材が安い場所では、思ったより安価に改良することが出来ます。弊社の研究所がある那須では、こちらの方がやすくなります。上記の点を工務店の方と相談されてはいかがでしょうか?

木造平屋の栗石地業を砂利地業に変えることは可能か

木造平屋(小規模100m2程度)のべた基礎に用いる栗石地業についてですが、旧来の施工精度ほどの期待が難しくなっています。他に省力化が期待できる仕様(砂利地業)は考えられるのでしょうか?

建築物は『建築基準法』に従い建築されなければならないのは言うまでもありません。 『建築基準法施工令』には、地業について詳細な記述はありませんが、施工令が参照としている『住宅金融公庫木造住宅共通仕様書』には、下記の通り地業についての詳細な記述があります。
3.土工事
3.2 地業
3.2.1 割栗地業
割栗地業は次による。ただし、地盤が比較的良好な場合は、割栗によらず砕石による地業とする事ができる。また、地盤が特に良好な場合は、これを省略できる。

イ 割栗石は硬質なものを使用する。なお、割栗石の代用として玉石を使用する場合も同様とする。
ロ 目つぶし砂利は、切り込み砂利、切り込み砕石又は再生砕石とする。
ハ 割栗石は、原則として一層小端立とし、隙間のないようにはり込み、目つぶし砂利を充填する。
二 締め固めは、ランマー3回突き以上、ソイルコンパクター2回締め以上又は振動ローラー締めとし、凸凹部は、目つぶし砂利で上ならしする。

ご質問の割栗地業の省力化についてですが、上記仕様書に従えば、地盤が良好な場合には割栗地業を省力化または省略できることになります。地盤が良好か否かの判断基準として住宅金融公庫の考え方は下記の通りです。

  1. 比較的良好な場合:地耐力5〜10t/m2の場合には割栗を砕石に変更してもよい。
  2. 特に良好な場合:地耐力10t/m2以上の場合には省略してよい。

木造平屋のべた基礎ということなので、建築基準法に従えば地耐力2t/m2以上は確保されているものと思いますが、地耐力2〜5t/m2場合には割栗地業の省力化は不可能と考えて良いでしょう。
なお、ほとんどの大手ハウスメーカーでは基礎の地業は砕石(40-0)となっているようですが、これは地耐力5t/m2という設定で標準的な家を設計していることが多いことと、原地盤の地耐力が5t/m2未満の場合にはセメント改良等による地盤強化を行うことを前提としているからだと思われます。
原地盤の地耐力は場所ごとに結構バラツキがあるものなので、十分な地盤調査が必要であり、この結果を踏まえた上で割栗地業を省力化できるか否かの最終判断は設計士が行うことになります。

土地を支えているコンクリート壁は20年経っても大丈夫か

自分の家はちょっとした高低差のあるところにあるのですが、家の庭の先(家の前)に高さ約4m位のコンクリートの壁によって自分の家の地盤を支えています。自分の家は築20年ぐらい経っていて、同じようにコンクリートの壁が20年経っても大丈夫なのでしょうか?また、コンクリートの壁が弱っていたらこの壁を作り直す以外に地盤が崩れないようにする方法はありますか?また地盤が崩れた場合、家にはどんな前兆、被害が発生しますか?

コンクリートの壁は擁壁(ようへき)と呼ばれていて、擁壁には様々な構造形式のものがあります。
ご質問の擁壁がどのような構造形式かはわかりませんが、簡単な判別方法としては、擁壁を横から見て、鉛直に立っていれば鉄筋コンクリート擁壁、若干傾いているようなら無筋コンクリート擁壁(鉄筋が入っていない)と考えられます。
鉄筋コンクリート擁壁の場合は鉄筋がさびるまでを耐用年数(寿命)と考えて、鉄筋がさびると膨張してコンクリートがボロボロはがれ落ちてきます。一般に耐用年数60〜100年と言われています。無筋コンクリートは中に鉄筋が入っていないので、さびによってコンクリートがはがれ落ちることはありません。耐用年数は半永久的と考えてよいでしょう。

「コンクリート壁が20年経っても大丈夫なのでしょうか?」というご質問ですが、擁壁がきちんと設計され、手抜き工事なく造られているなら全く問題はありません。

ご質問の擁壁は高さが約4mということなので、この高さで一般によく用いられている無筋コンクリートもたれ式擁壁に限定して回答を進めさせて頂きます。もたれ式擁壁は、重たいコンクリート壁が地盤にもたれかかることで、地盤が崩れようとする力に対抗する構造になっています。地盤が崩れようとする力には地盤自体の重さ(土圧)、地盤内の地下水の重さ(水圧)、建物の荷重、地震力などがあり、これらの力に対抗できるように設計されています。
設計した以上の大きな力が擁壁に作用すると、擁壁が地盤を支えきれなくなって崩れてしいます。この例として、大雨が降り続き、擁壁の排水孔(塩ビパイプ孔)からの排水が間に合わず、地下水の上昇によって水圧が大きくなり擁壁が崩れるのが一般的です。擁壁の排水孔はとても重要な役割を担っているのです。その他、想定以上の大きな地震が発生した場合や、想定以上の大きな建物を建てた場合にも擁壁は崩れてしまいます。

「コンクリート壁を作り直す以外に地盤が崩れないようにする方法はあるのでしょうか?」というご質問ですが、以下の3つ紹介します。

  1. 擁壁のコンクリート面に穴をあけて、鉄筋やワイヤー等を地盤の中に水平に挿入して擁壁を倒れにくくする(グランドアンカー工法と言います)。
  2. 地盤上(庭)から地盤に杭を打つ。または、地盤にセメントを混ぜて杭状に固めるなどにより地盤を崩れにくくする(抑止杭工法と言います)。
  3. 地盤にセメントを混ぜて地盤全体を硬くする。または、地盤を発泡スチロールなどの軽い材料で置き換えて擁壁に作用する力を小さくする(土圧低減工法といいます)。

最後に、「地盤が崩れた場合、家のほうにはどのような前兆、被害が発生するのですか?」というご質問ですが、あなたの家の庭が広く擁壁の端から十分に離れた所にあるなら、地盤が崩れても家は無事でしょう。簡単な判断方法として、擁壁から家までの距離が擁壁の高さ以上(ここでは4m以上)であれば多少安全、これ以下なら危険。高さの2倍以上(ここでは8m以上)なら安全と考えて下さい。地盤が崩れそうな前兆についてですが、家の中ではわからないので、以下に示す事項に注意して擁壁や庭を観察して下さい。

  1. 擁壁に大きなひび割れがあり、雨が降った後は、ここから水がしみ出している。
    →ひびが地盤まで貫通しています。危険なので擁壁の補修が必要です。
  2. 擁壁を上や横から見て、たわんでいる箇所、出っ張っている箇所がある。
    →擁壁に設計以上の力が作用しています。そのままだと擁壁が転倒する可能性があります。
     紹介した「地盤が崩れないにする方法」による対策が必要です。
  3. 雨が降った後、庭の水はけが悪い。擁壁の排水孔から水が出ていない。
    →地盤の水はけが悪いと水圧によって擁壁が倒れる危険性があります。
     擁壁の排水孔が詰まっている可能性があります。

丈夫な土地と軟らかい土地を跨いで家を建てます

2階建ての木造住宅を建てたいのですが、南海大地震の時でもびくともしなかったと言う丈夫な土地と、田んぼをつぶして宅地にした隣の土地の両方をまたぐような設計を考えています。当然、埋立地の方は地盤改良を考えていますが、比較的丈夫な土地の方はそのままで問題ないでしょうか?不同沈下しませんか?

丈夫な土地と軟らかい土地の上に家を建てると将来的に片方の沈下が進みいわゆる不同沈下の原因となります。確かに対策が必要なようですね。
地盤改良にもいろいろあります。
この様な場合、一番おすすめなのは、置換工法という方法です。
家の下になる部分の、田んぼの悪い土を取りさって、丈夫な土を出します。この掘ったところを割栗石(げんこつ大の砂利)で埋め直す方法です。
こうして丈夫な石に置き換えれば、将来的な沈下は小さくなります。また、沈下が気になる場合、基礎をベタ基礎と言う方法にします。ベタ基礎は、接地圧を小さくでき、沈下に強い基礎形式と言えるでしょう。

重量鉄骨3階建て建物の交通振動対策

私の建物は重量鉄骨3階建てALC張りです。基礎はコンクリートべた基礎のいわゆる中空スラブになっており深いところは4〜5m浅いところは1.3mほどになっております。深いところというのは25人槽の浄化槽が入っているためです。建物は敷地ぎりぎりまで建てられており、前には13mの県道が走り毎日絶え間なく数十トンというトレーラーが走り抜けております。そのため1階ではわかりませんが、2階以上になるとトレーラーの重さや走り方にもよると思いますがそこそこの振動を感じます。地盤はいわゆる関東ローム層らしく戴下試験では8.数トン(1平方メートル当たり)という許容値が出ています。当方の建物の設計荷重は約6トンです。また、周辺では比較的標高が高いためもあってか工事中に掘られたところには雨が降っても水溜りはできませんでした。私が素人なりに考えているのは、上記の中空スラブ内にセメントを流し込んで重量を増すか、中空スラブ外の土壌になんらかの手を加えることだと思っていますが、何かアドバイス頂けることはないでしょうか?

交通振動でお悩みのようですが、例えば、1階が事務所で2階が住居である場合など、利用者のリラックスの違いによっても振動の感じ方は違ってきます。ここでは「1階より2階の方が、揺れが大きく、建物または地盤に問題がある」と判断して回答を進めます。2階の振動を抑えるために考えられる対策と判定は以下の通りと考えられます。

対策1)中空スラブ内にセメントを流し込んで重量を増す(質問事項) →判定×
1階であまり揺れを感じないということは、問題は1階より上で発生しているものと考えられます(建物剛性不足など)、基礎は地面と一体で動くので中空スラブにセメントを流し込んで基礎の重量を増しても1階の揺れ方は変化せず、2階の振動も抑制されないと考えられます。

対策2)土壌になんらかの手を加える(質問事項) →判定×
地盤が軟弱な場合には、基礎底面をセメント改良したり、建物外周地盤にセメント固化の壁(防振地中壁)を設けることによって振動を抑えることも可能ですが、許容地耐力8t/m2以上という既に良好な地盤なので、地盤をこれ以上固くしても振動は抑制されないものと考えられます。反対に、固い地盤の外周を軟らかい材料で囲って振動を遮断するという工法も考えられますが、実用化された例は心当たりありません。

対策3)建物剛性を高くする →判定○
建物の詳細がわからないので、一概には言えませんが、一般に建物の剛性を高くすれば揺れは小さくなると考えられます。これが最も効果的な方法と考えられます。ただし、振動抑制効果を明らかにするためには詳細な検討を行う必要があります。手段としては以下の2つが考えられます。

  1. 柱が鋼管であればコンクリートを充填して建物剛性を高くする。
  2. 柱と柱の間に斜め引張り材(ブレース)を取り付けて建物剛性を高くする。

対策4)免震装置を設置する →判定×
基礎を浮かして基礎底面下に免震装置(積層ゴムなど振動を遮断する装置)を設置する工事は大変でありコストもかかります。特にスラブ厚が深いところで4〜5mということなので掘削手間などを考えると現実的ではありません。また、1階の柱に免震装置をとりつけ2階以上の揺れを抑える方法もありますが、いずれも通常の大振動の地震を想定した装置であり、小さな交通振動ではあまり効果がないものと考えられます。

対策5)制振装置を設置する →判定△
制振装置(振動方向と反対方向に荷重を与えて揺れを止める装置)を設置するのも一つの手段と考えられますが、対策3)以上に詳細な設計検討が必要です。また、制振装置は、通常、高層建築を対象としたものであり、3階建てに対応した装置があるかは不明です。

以上のように、2階の振動を抑えるための対策として最もおすすめなのは、建物剛性を高くすることだと思います。ただし、『横揺れ』が抑えられても『縦揺れ』は抑える方法がないのではないかと考えています。

また別のアプローチとして「県の交通公害対策に問題はないか」ということも考えられます。県には公害対策室のような所があると思いますので、相談してみてはいかがでしょうか。道路の段差が振動原因となっている場合には、改善してもらえることもあるかと思います。

雨が降ると家のべた基礎面の亀裂を伝って床下浸水します

箱根仙石原で住宅を建築しました。地下水位が-1.2mと浅いので、敷地土盛り60センチを行い、べた基礎下に防水シートを敷いて施工しました。ところが敷地の水はけが非常に悪く、台風が来ると土盛りした敷地であるにもかかわらず、基礎面の亀裂から床下に水が浸入してきます。
これは自然災害でしょうか?なお、開口部からの水の浸入はいっさいありません。これを止める有効な方法があれば教えて下さい。

家の周辺の地形や土質が良く分からないので、はっきりした理由が分かりませんが、床下まで浸水したということはどのような経路であれ、基礎の天端面よりも外水位が高くなったということになります。問題は、基礎面上まで湛水した理由が、公共の雨水排水路が原因か、あなたの家の設計が原因なのかということです。
雨水排水路の限界を超えて溢れてしまったことによって基礎面上まで湛水したのであれば、自然災害と言うこともできると思います。反対に、道路などが湛水はしておらず、周囲の家も特に問題ないにも関わらず、自分の家だけということであれば自然災害とは言えません。特に盛土材に水はけが良いものを使ったのであれば、防水シートを敷設したことが裏目にでた可能性があります。防水シート表面を水が伝って基礎下面に水が周り、クラックから浸水しているのではないでしょうか?それにしても、60cmも高くして、その上にべた基礎があるのに湛水するというのはかなり異な感じがします。まずは、浸水(湛水)の原因を特定することが大切ですので、きちんと調査をする事をおすすめします。

さて、これを止める方法ですが、最も根本的な方法は、敷地内が湛水しないように水はけを良くする。例えば、敷地内の低い部分や家の周りに排水溝や暗渠を設けるなどして、水が溜まらようにする事だと思います。敷地外に向けて庭などの勾配を付け直すだけで解決する場合もあると思います。

地形や家の構造によってそれができず、湛水しても浸水しないようにというのであれば、クラックを補修する方法があります。これは、浸水するクラックが特定できることが条件ですが、特定できるのであれば有効な手段と言えます。

補修の方法には、大別して3種類あります。クラックの小さな順に、

(1)表面塗装 クラック幅0.1mm以下
(2)注入 クラック幅0.1〜0.5mm程度
(3)充填 クラック幅0.5mm以上

となります。幅については目安ですので、詳しくは専門の業者に問い合わせて下さい。
(1)の表面塗装は、エポキシ塗料を塗布する方法で、ビルなどの地下水槽の表面の防水仕上げをする様なものです。浸水量が少ない(滲みてくる程度)であれば、これが一番経済的かと思います。
(2)の注入の場合は、エポキシ樹脂や無機系(セメント系)のものをクラックの表面から注入する方法で、クラック表面を樹脂などでコーティングしてから一箇所から注入剤を圧を掛けて注入する方法です。
(3)の充填は、特にクラックが大きな場合、表面をVカットしてから、例えば急結の止水セメント等で埋めていく方法です。
いずれの方法も一般的な方法ですので、業者に問い合わせてみてはいかがでしょうか?

それと、クラックの補修を行おうとする場合、見える場所にあるのであれば、クラックの幅の変動を調べることが重要であると思います。通常のクラックでもう落ち着いているのであれば、コンクリートの膨張・収縮に合わせて夏場は小さく冬場に大きくなるか、ほとんど変化しないでしょうから、クラックが最も大きくなる冬に補修をするのが良いと思います。 一方、だんだんクラックが大きくなっているのであれば、これは建物自体が沈下しているなど動いていると言うことですので、クラックの補修以前に別の対策が必要となると思います。

ピート層の上に家を建てますが摩擦杭でも大丈夫ですか

新築のための土地を地盤調査してもらったところ、「ピートという土質で強度が不十分であり、明確な支持層が10m位まで見当たらないので、摩擦杭で地盤改良が適当」との回答でした。摩擦杭とはどのようなもので、改良後の強度は十分なものでしょうか?

植物の遺体(有機物)が比較的分解されないままで堆積した高有機質土のことをピートと呼びます。一般に、北海道や東北地方等の寒い地域に生成されますが、その他、低湿地や谷地等にも生成されます。ピートに含まれている多量の有機物が影響して以下のような特徴があります。
ピートに含まれている多量の有機物が影響して以下のような特徴があります。
(1)含水比が高く(水分を多く含み)、圧縮性が高い(沈下しやすい)。
(2)せん断強度が小さい(軟弱である)。
(3)セメントで固まりにくい(特殊なセメントを使用する必要がある)。
つまり、非常に悪い地盤です。

家を建てる際には、地盤が悪くなるにつれて、布基礎→ベた基礎→杭基礎の順に最適な基礎形式を選定する必要があり、ご質問の土地はピートの悪い地盤なので杭基礎を選定したというのは妥当と考えられます。
杭基礎の形式は、支持杭と摩擦杭の2種類に大別できます。支持杭は、杭を支持層まで打込んで、杭先端の地盤で建物荷重を支持する形式であり、摩擦杭は、杭を支持層まで打込まずに、杭周面と土との摩擦力で建物荷重を支持する形式です。

ここで、支持層についてですが、支持層とは、杭先端に伝わる建物荷重に対して十分な耐力があり、沈下の発生しない地盤です。当然、一般住宅と高層ビルでは、同じ敷地であっても、建物の規模が異なっているため、必要となる支持層強さも異なります。
支持層深さを探るための地質調査には標準貫入試験という試験法がよく用いられ、この試験法では、ある深さの地盤の強さをN値という値で表します。建築学会では、"N値50以上の層が5m以上確認できれば、そこを支持層とする"ことを原則としていますが、住宅であればN値20程度でも支持層になるかもしれません(設計が必要です)。

ご質問の状況は、10mまで調査しても支持層が見当たらないということなので、杭長の短い摩擦杭を採用してコストダウンを図るということですが、適切な設計を行えば摩擦杭か支持杭かに関わらず、建物を支持することが可能となります。ただし、摩擦杭を採用するに当たって気を付けておきたいのは、地盤の調査が十分に行われているかという点です。地盤の調査が不十分で、杭と土との摩擦力の評価が不適切であれば、建物に有害な沈下が発生する可能性もあります。

特に、ご質問の土地は、ピートの非常に悪い地盤なので基礎の設計は慎重に行う必要があります。ピート層が1〜2mと薄い場合には、表層セメント改良や表層砂置換えを行った上で摩擦杭を採用することが可能と考えられますが、深さ10mまでの全層がピート層の場合には、沈下のリスクを避けるためにも摩擦杭は勧められません。

工務店に、以下のように相談することをお勧めします。
(1)もう一度ボーリング調査をして、浅いところに支持層が見つかれば迷わず支持杭を採用する。
(2)付近のボーリング調査結果を入手して支持層深さを確かめる。
(3)とにかく支持層に到達するまで杭を打込む。
(4)付近の同種の建物を参考にして基礎形式を選定する。

木造2階建て住宅で地盤のN値が3以上ですが地盤改良必要ですか

一般住宅の建築を予定しています。スウェーデン式サウンディング試験で5地点を調査したのですが、そのうちの1点に不良があるため、工務店から柱状地盤改良工事(改良厚L=3.0m)を実施したらどうかと言われました。換算N値は、A点では、 2mまでは4.4以上、B点では、0.55mで20.0、C点では測定結果すべてが4.0以上、D点では、2.25mまでは3.8以上、E点が1.75mまでは3以上で「E点に問題あり」との事です。造成業者さんにこの結果について問い合わせたところ「3以上あれば大丈夫じゃないですか。」とのことなのですが、工務店さんは、強く地盤改良を勧められます。建築予定の住宅規模は、建築面積74m2の木造2階建て住宅です。内部造作に特に重量物となるような蓄熱式暖房機等もありません。このような条件の場合、不良箇所を転圧するとか不良土壌を入れ替えるとか方法があるようにも思うのですが・・・。土壌改良工事の工法として各種様々な方法があるようですが、上記のような場合には、どのような工法があるのでしょうか?

住宅の敷地がどの程度の強さを持っているのかは、長期にわたることですから、たいへん気になる問題です。敷地の支持力を確かめる方法としていくつかの方法があります。お問い合わせから、敷地では換算したN値を調査されているようですね。
地盤の下の土は、なかなか見ることはできませんが、私たちは、粘土か砂かという大まかな分け方をします。
砂地盤の場合、支持力は、平米当たり、おおよそN値と同程度の荷重に耐えることができます。
例えば、N値3であれば、3t/m2程度となります。(「N値から地盤支持力を」を参照して下さい) 粘土地盤の場合ですと、N値3であれば、かなりしっかりした地盤といえます。

通常の家を造る場合、どの程度の荷重かというと、2〜3t/m2(=20〜30kN/m2)程度です。
ですから、単純に考えるならば、地盤改良をするよりも、べた基礎形式の2階建てならば、沈下や支持力の問題はないだろうと考えます。

ただし、近隣の施工事例の経験があり、地方の特性を知っている工務店の方が心配して言われるのでしたら、そのほかの根拠があるのだと思います。いずれにせよ、慎重に基礎形式の選定をした方がよいと思います。
また、地盤改良の方法ですが、こちらは、たしかに、不良箇所を転圧するとか不良土壌を入れ替えるとか方法があります。こちらは、以下の質問の回答に詳しく書かれていますので、参考にして下さい。

■土地の道路境界から5mの範囲で地耐力が不足しているのですが
■レンコン畑の上に家を建てる際の地盤改良方法
■土地を支えているコンクリート壁は20年経っても大丈夫か

震災後、家の揺れがひどくなり困っています

H12年3月に新築しましたが、H12年10月の鳥取西部地震で被災しました。次のデータをご覧頂きアドバイスをいただければ幸いです。

建築地 休耕田を1〜1.5m埋立造成された5区画の内の1区画。昔の海と陸の境
周辺環境 江島工業団地(浚渫土砂?による埋立地)に隣接。それと民家の間に旧運輸省による工事とおもわれる道路あり(所管:島根県⇒八束町)。現在江島架橋工事中
建物 木造総2階建て、布基礎、基礎下に鋼管杭打ち地盤改良
※(隣家:表層改良・ベタ基礎)
地震被害
  1. 建物の傾斜(市販傾斜計で1〜1.5°西高東低)
  2. 一部の基礎下(逆T字の下)の土砂が10消失し真っ暗な空間があった。
  3. 非基礎部(束・束石)の浮上り=非基礎地盤の沈下による床の撓み
  4. 建具の不具合等   ※(隣家:被害無し)
地震後
  1. 交通振動・工事振動・架橋工事建設機械の移動時の振動がリアルに伝わってくるようになり、建物が下から突き上げられるようなひどい揺れがある。
  2. 台風・強風時に家が揺れる。極端に例えるとJRの振り子式電車に乗っているような感じである。
  3. 数ヶ月ペースで定期的に床鳴りがし、その都度、鋼製束のナットを締めて調整している。非基礎部地盤が、振動でじわじわと沈下しているのか。

相談:

  1. 阪神淡路大震災以降の住宅建設において、液状化予測・対策は考慮されないのだろうか?
  2. 住宅メーカーは天災は免責というが全てそうなのか?
  3. 原形復旧するには?費用は?

八束町では、鳥取西部地震で大変な被害がでたと聞いております。 さて、ご質問の件ですが、これも難しい問題ばかりです。

1)一つ目の質問ですが、確かに兵庫県南部地震の後は、液状化に関して多くの知見が得られました。そのため、いくつかの調査をすることで、地盤が液状化するかどうかの判断は、可能な状態にありました。しかしながら、公共構造物以外では、法的に液状化の判定をしなくては建築してはいけないと言う法律は出ていないようです。また、液状化対策の有無、および施工法は、通常、施主の判断に任されます。大変心苦しいのですが、当時は、鳥取で大規模な地震が起きることは大勢の研究者も想定していなかったと思います。

2)住宅メーカーの免責に関しては、契約書に基づくのではないかと考えております。これも心苦しいのですが、一般的には、地震や水害などの天災は、メーカーの保証には、含まれていないようです。このため、これらの心配がある場合、地震保険などにはいるのが一般的なようです。

3)原型復旧に関する費用にかんしては、まず、振動が大きくなった原因を明確にする必要があります。ご連絡の情報だけでは、正しい判断をすることはできません。このため、以下は、ご呈示の情報からの推測でしかありません。ご自宅の基礎は、鋼管くい打ちの基礎と言うことですので、おそらく、固い地盤まで杭が打ち込まれていると思います。この基礎構造は、おそらく住宅基礎としては、大変しっかりした部類にはいると思います。ただし、地盤が液状化した場合、建物は、杭に支えられても、地盤は沈下しますので、建物と、地盤の間に隙間が出来ている可能性があります。ご観察でも、そのような状況が確認されているようですね。このような状態で地盤と建物の間に隙間ができたことが、振動を大きくする原因ではないかと推測できます。この場合、地盤と基礎の間の隙間をモルタルなどで埋める対策を検討してはどうかと考えます。ただし、この他にも住宅の構造自体が地震の衝撃でゆるんだ可能性などが考えられます。施工費用も含めて、建設業者の方と相談されてはいかがでしょうか?



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