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2025年
工事用仮設エレベータ稼働状況の可視化を実現のページです。
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工事用仮設エレベータ稼働状況の可視化を実現
2025年8月5日
五洋建設株式会社(社長 清水琢三)と株式会社センシンロボティクス(社長 北村卓也)は、工事用仮設エレベータによる揚重作業のリアルタイム監視と稼働データの収集・分析による作業効率の向上を目的に「工事用仮設エレベータモニタリングシステム」を開発しました。また、実工事へ適用しその効果を確認しました。
超高層ビルの建設現場では、資機材の揚重や作業員の移動に要する時間が工期に大きく影響します。しかしながら、工事用仮設エレベータ(以後エレベータと略記)の設置台数や揚重計画は、これまでに蓄積された経験をもとに決定されるのが一般的でした。作業員も利用するため、朝礼後や昼休み前後などは混雑する場合が多く、無駄な待ち時間が生じていました。そこで、エレベータをより効率的に活用するために稼働状況を可視化し、さらに得られた情報を一元的に管理・分析し、揚重作業の効率化を実現する本システムを開発しました。
本システムは、エレベータの制御情報と映像をサーバに送信するデータ収集装置と、揚重する資材の情報を入力するスマートデバイスから構成され、WEB上のメイン画面に表示されます。工事事務所や作業員事務所に設置したモニターやスマートデバイスから、映像と資材の種類・重量、エレベータの現在階と行き先階などを確認できます(図1および図2)。また、収集された稼働状況などのデータはグラフ化され、分析できます(図3)。これにより、エレベータの稼働状況がリアルタイムに監視でき、揚重計画の改善・修正に反映することが可能となります。エレベータの階数情報は現場内の誰もがQRコードを用いてスマートデバイスなどで確認でき(図4)、作業員は待ち時間を有効に活用できるようになります。
施工中の月島三丁目北地区市街地再開発事業建設工事に適用した結果、@作業員の待ち時間の改善、A高層階での荷下ろし状況に応じた荷積み階での作業効率の向上、B搬入車両の待機時間の短縮、が確認されました。
今後、「工事用仮設エレベータモニタリングシステム」を超高層大規模現場へ展開するとともに、超高層階の揚重作業の実態に関するデータを収集・分析し、超高層ビルの揚重計画に反映していく予定です。
図1 本システムのメイン画面(今回の現場では3台の工事用仮設エレベータを使用)
左:ELVかご内映像 右:荷積み階映像(B2階)
@ 現在積載している揚重物を表示
A 揚重物の重量または輸送人数を表示
B 当日の合計を表示
(揚重物総重量、総揚重回数、輸送総人員数)
図2 メイン画面での表示項目の詳細
図3 エレベータ稼働状況のグラフ化(縦軸:階数 横軸:時刻)
図4 ELVゲート前に設置したQRコード
(スマートフォンでQRコードを読み取ることでエレベータ位置情報が入手可能)