このページは、ホームWhat's New
2025年
大型基礎施工船(HLV : Heavy Lift Vessel)の建造についてのページです。
What's New
大型基礎施工船(HLV : Heavy Lift Vessel)の建造について
2025年1月27日
五洋建設株式会社(代表取締役社長 清水琢三)は、洋上風力建設に用いる大型基礎施工船(以下、HLV)の建造契約を、2025年1月27日、Seatrium Limited(CEO Chris Ong)と締結しました。
我が国における洋上風力発電は、主として着床式洋上風力の整備が港湾区域で進められていますが、2027年度以降、一般海域において建設工事が本格化する見込みです。当社は、海洋土木のリーデイングカンパニーとして、我が国の洋上風力発電の供給拡大に貢献すべく、SEP船(風車据付船)など、洋上風力建設に必要な大型作業船の建造等に積極的に取り組んでいます。しかしながら、一般海域のプロジェクトでは、風車の大型化に伴い基礎のモノパイル重量も増加し、SEP船(風車据付船)では基礎の施工が困難になることが見込まれます。
そこで、15MW〜20MWクラスの風車の大型基礎(モノパイル)を安全かつ効率的に施工するため、5,000t吊全旋回式クレーンを搭載した自航式の世界最大級かつ新しいコンセプトのHLVを建造します。HLVの船尾は、U字型に切り欠いたユニークな形状を採用しており、船体の長手方向に置かれたモノパイルを5,000t吊クレーンとグリッパー付きの建て起し装置を用いて建て起して、そのまま打設できるように工夫されています。モノパイルの打設位置が船尾で、船体による波や流れの遮蔽を受けて動揺が小さくなることに加え、船体の自動船位保持装置(DPS2)が装備されているため、気象海象条件の厳しい外洋においても、モノパイルを安全かつ効率的に施工することが可能です。
船体設計は大型起重機船の設計に豊富な実績を持つUlstein Design & Solution(オランダ)、全旋回式5,000t吊クレーンやグリッパー付きの建て起し装置などのデッキ装置はオフショアクレーンのトップメーカーであるHuisman Equipment(オランダ)、船体建造はオフショア作業船の建造実績が豊富な世界有数の造船所であるSeatrium Group(シンガポール)が担当します。
HLVについては、当社子会社(設立予定)(保有比率50%)と芙蓉総合リース株式会社(代表取締役社長 織田寛明)(50%)が共同保有します。建造費は、約1,200億円で、2028年5月に完成、2028年秋からの稼働を予定しています。
本HLVは、「安全かつ高効率な施工」ならびに「リーズナブルな建設コスト」の実現を通じて、日本の洋上風力発電の普及・推進に大きく貢献するものと確信しています。
HLVのイメージ図
特長
- 重量3,000tクラスのモノパイルの施工が可能
- モノパイルを複数本搭載して運搬することが可能で、効率的な施工が可能
- 自動船位保持装置(Class NK DPS2)(9基のスラスター、合計出力25,000kW以上)を搭載し、高い位置保持能力を有する
- CN対応として、バッテリー蓄電システムの搭載、メタノールレディー仕様
建造スケジュール
2025年1月27日 | 造船契約締結 |
2028年5月 | 完成・引き渡し(予定) |
1月27日の造船契約書調印式に於いて