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What's New

土質定数推定システム“サウンディングAI”を開発

2023年1月26日

五洋建設株式会社(社長 清水琢三)は、地盤のサウンディング結果から人工知能(AI)を用いて土質定数を推定する技術“サウンディングAI”を開発しました。
“サウンディングAI”は、専門技術者の能力や経験に頼ることなく、高精度に地盤強度の指標「N値」と土質分類の指標「細粒分含有率(Fc)」を推定できます。追加調査で“サウンディングAI”を通常のボーリング調査に代替した場合、経済性は23%向上、期間は35%短縮されます。また、技術者の負荷や人為的ミスの削減、作業の効率化も期待できます。

サウンディングとは
サウンディングは抵抗体を地中に貫入し打撃や回転等の負荷を与えることで得られる様々な抵抗値から土質定数を求める原位置地盤調査法です。標準的な地盤調査法として世界で広く普及している電気式コーン貫入試験(CPT)や、薬液注入工やアンカー工において削孔時の回転トルクや掘進スピードから土質定数を推定するロータリー式サウンディング(RST)等があります。
一般的に、サウンディングで得た抵抗値から、経験に基づく実用式や図表等を使い、近隣のボーリング調査結果も参考にしつつ、技術者が総合的に判断し土質定数を推定します。

“サウンディングAI”について
“サウンディングAI”は、CPTおよびRSTの2種類のサウンディングについて、N値とFcを推定できるAIモデルです。
機械学習手法の一つであるディープニューラルネットワーク(DNN)を用い、過去10年分(約1800個)のサウンディングデータをボーリング調査結果や各種土質試験結果と合わせて学習させるほか、これまで着目していなかった貫入履歴も用いています。さらに、N値とFc の相関を考慮したマルチタスク学習を採用した結果、技術者の知識や経験では捉えられなかった特徴量の抽出が可能となり、推定精度が向上しました。東京国際空港で行った検証では、N値の推定誤差(二乗平均平方根誤差)が4.3という結果を得ました。

“サウンディングAI“適用の実績と効果
本技術を適用したRSTは既に10件の薬液注入工事で実績があります。薬液注入工では薬液の流出や地表面の隆起を防ぐため、Fcに対して注入速度を適切に管理する必要がありますが、本技術により削孔毎にFcを求められるため、従来と比べてより詳細に注入速度管理を行えるようになりました。

今後も、本技術を様々な建設現場の地盤調査工に展開し、施工の効率化や工事品質の向上に貢献してまいります。

※ 熊谷隆宏 他:サウンディング調査法にAI技術を導入する新しい土質定数推定手法,地盤工学会誌,2022.1

(参考資料)

  • 電気式コーン貫入試験(CPT) 電気式コーン貫入試験(CPT)
  • ロータリー式サウンディング(RST)ロータリー式サウンディング(RST)

“サウンディングAI”の概念図(CPTの場合)
“サウンディングAI”の概念図(CPTの場合)

“サウンディングAI”によるN値,Fcの推定結果例(CPTの場合)
“サウンディングAI”によるN値,Fcの推定結果例(CPTの場合)



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