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2017年
構造物誘導・出来形管理システム「AR Navi ジオモニU」を開発のページです。
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構造物誘導・出来形管理システム「AR Navi ジオモニU」を開発
〜ICT・AR技術を駆使して、建設現場の生産性向上に貢献〜
2017年02月07日
五洋建設株式会社(社長 清水 琢三)と株式会社ソーキ(社長 都志 直博)は、カメラ付きトータルステーションで視準した映像に、任意の三次元画像情報を重ねて表示させることにより、杭・ケーソンなどの構造物の誘導および出来形測量を行うことができる新しい構造物誘導・出来形管理システム「AR Navi ジオモニU」を開発しました。
「AR Navi ジオモニU」は、従前の技術である「映像による杭打設管理システム(ジオモニ)」のハードウェアに、AR(Augmented Reality:拡張現実)技術を導入したソフトウェアを搭載した、新しい構造物誘導・出来形管理システムです。
従前のシステムの場合、視準した映像に重ねて表示できるのは、杭の中心軸あるいは左右いずれかの側面の設計ライン(設計位置を通る管理線)のみであり、杭頭中心位置あるいは傾斜しか管理することができず、また、設計ラインに対する杭のずれ量を定量的に測定することも困難でした。
新しいシステムでは、AR技術を用いた設計ライン表示技術の高度化により、@複数の設計ライン、A三次元形状の設計ラインおよびB倍率に応じた尺度(目盛)などの表示が可能となり、水平・鉛直方向2本の設計ラインによる杭出来形(杭頭中心位置・天端高・傾斜)の一括的な打設管理、立体的な設計ラインによるケーソン・ジャケット・鋼板セルなどの大型構造物の据付管理、さらに、設計ラインに対するずれ量の定量的な測定などを行えるようになりました。
本システムの特長は以下のとおりです。
- 1.様々な形状の構造物をワイヤーフレームモデルやポリゴンモデルなどの三次元画像や、施工管理の目的に応じた任意形状の設計ラインを表示できるので、対象構造物の規模や形状によらず、多様な構造物の施工管理に適用できます。
- 2.設計ラインに対して任意の幅で複数の平行線を表示させ、ズーム倍率に応じた目盛表示を行うことで、設計値との誤差を定量的に測定することができます。
- 3.作業船オペレータが設計位置と施工対象物の状況をリアルタイムモニタリングできるので、位置決めに要する時間を短縮でき、作業性が向上します。
- 4.最大測量距離は約500m、雨天時や夜間作業への適用も可能です。
[操縦室内モニター表示イメージ]
[トータルステーション概要]
AR Navi ジオモニU システム概要図(鋼管杭打設時)
[複数の設計ライン表示]
[三次元形状の設計ライン表示]
設計ライン表示例
※管理線は任意の幅で設定可能
※斜杭の対応も可能
鋼管杭(φ500)出来形測定の事例
なお、本システムは2016年6月に東京港内における現場試験施工で、施工性および打設精度の向上効果を確認しました。その際の実績として、18本の鋼管杭について、杭頭中心位置および天端高の出来形が許容値の50%以内の高精度で打設できたことを確認しています。
今後、弊社は新たに開発した本システムの積極的な展開を図るとともに、熟練技術者の技量に頼らざるを得なかった様々な建設生産プロセスについて、積極的にICTを活用することにより建設現場の生産性向上を目指します。