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2016年
地上躯体に使用可能な中品質再生骨材を用いたコンクリートを実用化のページです。
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地上躯体に使用可能な中品質再生骨材を用いたコンクリートを実用化 〜循環型社会の形成へのさらなる貢献を目指して〜
2016年3月17日
五洋建設株式会社(社長 清水琢三)、株式会社東京テクノ(代表取締役 岡本利治)、および武蔵野土木工業株式会社(代表取締役 渡邉久美)の3社は、中品質の再生粗骨材を用いたコンクリートを乾燥収縮の影響を受ける地上躯体に使用できることを確認するとともに、再生粗骨材および再生骨材コンクリートの適切な品質管理方法を構築し、このたび、地上躯体に使用可能な中品質再生粗骨材を用いたコンクリートとして、国内初※1となる国土交通大臣認定を取得しました。 中品質再生粗骨材を用いたコンクリートは、これまで場所打ち杭や乾燥収縮の影響を受けない地下躯体などにその使用が限定されているのが現状でした。本技術により、膨張材や収縮低減剤などの特別な混和材料を使用することなく、地上躯体に使用することが可能となります。
本技術で使用する再生粗骨材は、JIS規格における「再生粗骨材M」に該当しますが、ロッドミルなどの機械的なすりもみ処理のみで製造した、やや品質の高い「中品質再生粗骨材」を使用しています。また、耐久性を確保するため、場所打ち杭等に使用する際にも実施している塩化物含有量およびアルカリシリカ反応性に加えて「乾燥収縮に対する抵抗性」について、早期判定による品質管理を再生粗骨材1ロット(900ton)※2ごとに実施します。これにより、膨張材や収縮低減剤といった混和材料を使用することなく、十分な耐久性を確保した再生骨材コンクリートの供給が可能となります。
※1 普通コンクリートの強度範囲(設計基準強度21N/mm2〜36N/mm2)において。 ※2 コンクリートの場合、150m3を1ロットとして3ロットごとに品質判定するが、コンクリート1m3≒粗骨材1tonとみなし、 今回の認定では再生粗骨材900tonを1検査ロットと設定している。
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本技術で使用する中品質再生粗骨材
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乾燥収縮試験結果の例
今回、大臣認定を取得した再生骨材コンクリートの特徴は以下の通りです。
1. 特別な混和材料を用いることなく地上躯体に使用可能 再生骨材Mの区分でやや品質の高い「中品質再生粗骨材」を用いることにより、膨張材や収縮低減剤を用いることなく乾燥収縮の影響を受ける地上躯体に使用することが可能です。
2..乾燥収縮率の早期判定による品質管理法を構築 「建築工事標準仕様書・同解説 JASS5 鉄筋コンクリート工事」に記載された乾燥収縮率の早期判定を再生骨材コンクリートに適用できることを確認し、これに基づいた品質基準値を設定しました。
3. フライアッシュU種を結合材の一部に使用 再生骨材コンクリートを使用するにあたって、アルカリシリカ反応抑制対策が重要となりますが、その抑制効果が認められているフライアッシュU種を結合材の一部として使用することで、設計基準強度21N/mm2〜36N/mm2のすべての範囲に対応することが可能です。
4. 普通骨材を用いたコンクリートと同等以下の価格 混和材料を使用していないことに加えて、加熱処理などを行わず、ロッドミルなどの機械的なすりもみ処理のみで製造した再生粗骨材を使用していますので、普通骨材を用いたコンクリートと同等以下の価格で供給することが可能です。
また、本技術で使用する中品質再生粗骨材の主な品質基準値、製造方法および使用部位は下表の通りです。参考として、同様に再生粗骨材H(JIS A 5021)、再生粗骨材M(JIS A 5022附属書A)および再生粗骨材L(JIS A 5023付属書A)についても併せて示します。
当社は、これまでに再生骨材コンクリートの国土交通大臣認定を延べ11件取得しています。また、今回の3社の組合せでは、今回の地上躯体に使用できるコンクリートの他、場所打ち杭および地下躯体(2009年取得)、CFT造充填コンクリート(高流動コンクリート、2011年取得)についても国土交通大臣認定を取得し、出荷できる体制を整えています。 今後も、再生骨材コンクリートの普及を図り、廃棄物の有効利用ならびに循環型社会の形成に向けて引き続き尽力します。