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2005年
シャークビット工法を共同溝工事へ初適用のページです。
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シャークビット工法を共同溝工事へ初適用
2005年04月01日
●容易なビット交換技術により、工期短縮とコスト削減
●地山の土質に合わせたビットの選択変更が可能
五洋建設株式会社(社長 鉄村和二郎)は、JFEエンジニアリング株式会社(社長 斎藤脩)と共同開発したシャークビット工法を岡山県の共同溝工事に初適用し、このほどシールド機が完成しました。
この「 シャークビット工法 」 は、新しいカッタービットを内周中心部から一個ずつカッタースポークに押し込み、磨耗した外周側のカッタービットを地山へ押し出すことにより、シールド機内から容易にカッタービットを交換できる工法です。従来工法では、ビット交換のための立坑築造や地盤改良を行う方法などがありますが高コスト・不安全性・ 長期間の工期といった課題がありました。
今回、初適用した工事は、岡山駅より山陽本線(在来線)と山陽新幹線が分岐した2つの重要構造物の直下を横断させ、共同溝を構築する工事です。土質は密に締まった礫質土(洪積上部礫質土)が主体であるためビットの割れや摩耗が予測される上、実際に発進立坑を掘削した時には最大粒径400mm、周辺土質においても粒径600mmの巨礫も確認されました。仮にこの摩耗したビットで礫質土を掘削すると、前面に押し出す推進力を失い周りの地盤を押し上げるなど、地盤沈下や隆起を誘発する可能性がありました。
また地上からも地盤改良ができない箇所があることや安全性・工期を考慮し、ビットの交換方法を検討した結果、シールド機内から容易にビット交換ができるシャークビット工法を採用しました。
このほど製作したシールド機の4本のカッタースポークのうち、2本にシャークビットを搭載しています。これにより、リフレッシュされたビットでの施工が可能となり、重要構造物直下をスムーズに掘進できます。
シャークビット工法の特長は以下の通りです。
1.大幅な経済性の向上
ビット交換のための立坑築造や地盤改良が不要であり、簡便な機構で迅速にビットの交換ができるため工期短縮と大幅なコスト縮減が図れます。
2.容易なビットの交換
摩耗によるビットの交換はもとより、掘削地山の土質に合わせたビットの選択変更が容易にできます。
3.安全性の確保
切羽作業、高所作業、狭隘箇所での溶接・溶断作業等の危険作業が無いため、安全性に優れています。
シールド工事の概要
工事名称 | 岡山西2工区共同溝第4工事 |
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施工場所 | 岡山県岡山市野殿地内〜北長瀬内 |
発注者 | 国土交通省 中国地方整備局 岡山国道工事事務所 |
施工者 | 五洋建設株式会社 中国支店 |
シールド機 | Ø4,530mm泥土圧式シールド掘進機 |
掘削開始 | 平成17年6月(予定) |
施工延長 | 830m |
セグメント外径 | Ø4,400mm |
土被り | 12.8〜14.5m |
地質 | 洪積礫質土を主体に、粘性土・砂質土 |
シールド機の概要
シャークビットシールド機全景
(クリックで拡大)
シールド外径 | 4,530mm |
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シールド機長 | 7,190mm |
シールドジャッキ推力 | 1,000kN×18本=18,000kN |
切羽単位面積あたり推力 | 1,116.8kN/m² |
カッタートルク | 2,046.4kN・m(α=22.0) |