このページは、ホームソリューション・技術プロジェクトプロジェクトストーリー松山市新西クリーンセンター整備・運営事業建設工事のページです。
現場全景
設置場所
愛媛県松山市にある松山市西クリーンセンター。瀬戸内海の伊予灘に面した松山空港のほど近い場所で、松山市新西クリーンセンター整備事業が進んでいる。
当事業は、松山市がDBO方式(※注1)で発注したもので、廃棄物の環境負荷の低減、安定かつ効率的な処理、燃焼による熱エネルギーを利用した発電などで循環型社会の構築を目的としたものだ。
今回、当社は、施設の建設にあたっては、プラントメーカーの日立造船(株)と共同企業体を設立し、高度な処理機能を有する新西クリーンセンターの施設の設計・施工及び既存の老朽化した西クリーンセンターの解体・撤去工事、引き渡し後20年間の運営業務に携わっている。
※注1:Design Build Operate方式とは、PFIに類似した事業方式の一つで、公共が資金調達を負担し、設計・建設、運営を民間に委託する方式のこと。
敷地配置図(画像拡大)
当事業は、稼働中の既存施設である西クリーンセンターの敷地内で、既存運営を阻害せずに近接した場所に新設棟を建設し、運営開始後に既存棟を解体して付属棟を新設する4年6ヵ月の大プロジェクトだ。
プラント機器設置エリアでの施工状況
新設棟の施工に際しては、既存施設の隣でプラント工事と建築工事を同時に行う条件があることから、早期に双方の意見交換をし、互いの工事方針を一つにまとめることが工事成功への大きなカギを握る。
そこで、建屋工区別施工順序、プラント機器搬入計画、設置順序などについてプラントメーカーの日立造船(株)と綿密な打ち合わせを行い、工夫を凝らしながら施工の効率化を図った。
地下水排水処理状況(画像拡大)
地下工事をはじめ、アスファルト舗装工事、既存施設解体工事などで環境対策が講じられている。
当工事は海のすぐ横で、地下水位がかなり高い。
そのため、地下山留工事ではSMW工法を用い、掘削範囲内における滞留水の排水にはSWP(スーパーウェルポイント)工法を用い、真空プレス型リチャージウェルで地盤に復水させ、外部には地下水を排水しない方法を採用した。
ハイドゲン工法による汚泥対策処理状況
山留工事の際には、汚泥対策処理として余剰泥土にハイドゲン工法(※注2)を用いて、敷地内埋戻土として再利用した。 また、新設棟廻りのアスファルト舗装工事では、松山市内の南クリーンセンターから排出されるスラグの再利用を図った。 さらに既存施設の内部解体工事では、有害物質の外部流出を防ぐため、目張り密閉養生の徹底化など、施工中から環境対策・循環型社会へ配慮した工事を展開している。
※注2:ハイドゲン工法とは、SMW工法施工時に発生する余剰泥土を、ハイドゲン装置に取り込み、分級処理し、発生土を低減させる工法のこと。
こうして完成に至った新設棟は、灰溶融設備にて灰をスラグ化して建設資材としたり、ごみ焼却で発生する熱エネルギーを電気に変えることに加え、太陽光発電も導入するなど、循環型社会づくり貢献する施設として本格稼働している。
公害防止設備を導入した施設内状況
工事は、5月より既存施設内部機械の解体工事に入り、6月中旬から世界最大級の解体専用機を用いて地上約40mの煙突解体工事を終え、建屋解体工事に入っている。
工事所長 M中政利
当工事の工事所長であるM中政利は、「54ヵ月という長い工事のなかで、社内外の方々と常に一期一会の気持ちで接し、地域に根差した工事を念頭に進めてまいりました。最後まで臨海部ナンバーワン企業としてのプライドを持って工事に臨み、発注者である松山市様、新西クリーンセンターの職員の皆様、地域の方々に喜ばれる施設を提供すべく取り組んでいきたいと思います」と語る。
実際、工事着工後、既に10数回現場見学会を開催し、マスコミをはじめ、地元の多くの方々に現場を公開してこの環境配慮型クリーンセンターについて説明してきた。
そして、現場の仮囲いには地元の松山市内の高等学校の生徒による「環境」をテーマにした絵画を設置したほか、職長会庭園に松山市の花である椿と職長会の花として花ミズキの植樹、クリスマスにはイルミネーションを執り行うなど、現場における環境美化活動にも力を入れ、地元の皆様からも高い評価を得ることができた。
- 地元高校生による絵画の仮囲設置状況
- 植樹した木へのクリスマスイルミネーション
完成後は、当社の臨海部における建築・土木・環境の技術力の高さと地域貢献力をアピールできる施設となり、今後予定されるPFI事業やクリーンセンターのモデルケースとなるであろう。
工事名称 | 松山市新西クリーンセンター整備・運営事業建設工事 | |
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工事場所 | 愛媛県松山市大可賀 | |
工期 | 2009年7月1日〜2013年12月27日 | |
発注者 | 松山市 | |
施工監理(土建) | 松山市 | |
施工監理(プラント) | 一般財団法人 日本環境衛生センター | |
設計・施工 | 日立造船・五洋建設 建設共同企業体 | |
工事内容 | 構造 | 鉄骨造 鉄骨鉄筋コンクリート造 鉄筋コンクリート造 地上8階 地下1階 |
敷地面積 | 24,550.16m2 | |
建築面積 | 6,987.91m2 | |
延床面積 | 19,595.16m2 | |
施設概要 | 処理方式:ストーカ式焼却炉(低空気比高温燃焼型)+プラズマ式灰溶融炉 | |
処理能力 | 焼却炉 420t/日(140t/日×3炉) 灰溶融炉23t/日×2炉 (交互運転) |