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PPC第一大煙突解体工事(大分県)

世界一の高さを誇った「関の大煙突」を解体・撤去

現場位置図現場位置図

大分市の東端に位置し、漁業や鉱業の街として栄えてきた佐賀関半島。
この半島先端部にあるパンパシフィック・カッパー(株)佐賀関製錬所内で、現在、第一大煙突(鉄筋コンクリート製)の解体・撤去工事が進んでいる。

この第一大煙突は、銅の製錬所が開設された1916年(大正5年)、当時のアメリカの最先端技術を導入して建設されたものだ。完成当時は167.6mという世界一の高さを誇り、大分の産業・経済の発展の一翼を担い、佐賀関のシンボルとして「関の大煙突」という愛称で地域の方々から長い間親しまれてきた。
しかし、近年、長年の風雨で老朽化が著しく進み、煙突の先端部分が一部落下するなど、崩落の危険性があったため、解体が決定された。

当社は2012年10月10日の安全祈願祭後、10月下旬に大型クローラクレーンを設置し、11月上旬より第一大煙突の解体作業に取り掛かっている。

大型重機の効果的な活用で、煙突解体作業を効率化

解体着手前の第一大煙突の高さは約157mで、安全上の問題から煙突周囲50mが立入禁止となっており、立入禁止区域外からの作業(作業半径70m)という厳しい条件の下、解体工事が行われている。

煙道防護対策工事状況煙道防護対策工事状況

解体前の準備工事では、ボーリングによる地盤確認、煙突周囲の樹木の伐採、大型クローラクレーンの作業ヤードの整備、解体片の予想落下範囲にある煙道防護対策、煙道の切替を実施した。立入禁止区域内での作業となる樹木の伐採は、無線操縦によるバックホウを使用しての無人化施工を実施。煙道防護対策での防護設備据付や煙道の切替は550tクレーンを使用し、立入禁止区域外から行った。

解体工事では、まず立入禁止区域外からでも煙突に十分届く2,000t級の大型クローラクレーンを組立てた。そして煙突頂部から地上50mまでは大型クローラクレーンに油圧圧砕機を取り付け、地上50m以下は大型バックホウのロングアームに油圧圧砕機を取り付けて解体を進めるなど、煙突の高さや壁厚、鉄筋コンクリートの強度に応じて使用する油圧圧砕機の機種変更、油圧系統の調整や改善を行いながら、効率良く工事を進めている。

煙突解体状況

厳しい施工条件の下、地域の環境に配慮した施工を展開

散水による粉塵抑制散水による粉塵抑制

解体工事では粉塵が発生するため、地域の環境に配慮し、集塵機や散水設備を煙突周囲に設置して粉塵を抑制している。散水設備は、立入禁止区域外から煙突まで水が届くものを煙突周囲に3ヵ所設置し、午前・午後の作業前及び状況に応じて散水を実施している。

そして、一番作業に影響を与えるものが風である。煙突が立っている場所は標高126mで煙突は高さが157mあるため、煙突頂部は標高283mとなり、地上部より強い風が吹く。

さらに風は、風速だけでなく、風向も影響する。市街地方向に風が吹いている場合は、風速によらず作業を中断するなど、常時、風速と風向きを確認し、地域の人々の生活に最大限の配慮をしながら日々解体工事を進めている。

安全施工の下、お客様や地域の要望に応えるために

大型クローラクレーンでの解体も無事に終了した今、工事の進捗率は約85%。
現在、大型バックホウを使った解体工事の施工中である。
風による規制も続く中、高さが低くなったからといって、解体片の飛来落下による災害や倒壊の危険性が「0」になったわけでもない。立入禁止区域は高さが低くなったので範囲は狭くなったが、大型バックホウ解体時の立入禁止区域を設定し、解体時の立入禁止を作業員全員に周知徹底し、立入禁止区域の区分と表示をすることで、更なる安全意識の高揚を図っている。

工事所長 内田直利工事所長 内田直利

当工事の工事所長である内田直利は「風に左右される作業であるため、風の状況を早めに知ることが工事のカギになります。インターネットで1週間先までの風予報を日々確認し、関係者と工程を調整し、対応を協議しながら工事を進めています。竣工まで約1ヵ月ですが、気を引き締め、無事故・無災害で解体工事を終了させ、お客様や地域の皆様に安心していただける工事を展開していきたいです」と語る。

佐賀関のシンボルとして約1世紀に渡り大役を果たしてきた第一大煙突。
佐賀関製錬所の大煙突としての機能のみならず、佐賀関の漁労従事者の方々の沖合でのランドマークとして、また、佐賀関の名所として小学校の校歌にも登場するなど、地域の住民から長年にわたり親しまれてきた。解体を惜しむ声も多いが、工場や地域住民の安全性を最優先にし、静かにその使命に幕を下ろすことになる

解体後は、当社の煙突の解体・撤去工事における高い技術力と地域貢献力をアピールする貴重な工事実績となり、さらに今回得られた知見や経験は今後の類似工事の礎となるであろう。

工事名称 第一大煙突解体工事
工事場所 大分県大分市大字佐賀関
工期 2012年9月19日〜2013年6月30日
発注者 パンパシフィック・カッパー(株)
施工 五洋建設(株)
工事内容 ヤード整備工 一式
煙道防護工 一式
煙道解体工 一式
重機運搬工 一式
煙突解体工 一式


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