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気仙沼漁港漁船回収工事

着水を始めた「第一明音丸」

6月15日、東日本大震災から3ヵ月余りが経過したこの日、巨大津波で陸に打ち上げられていた大型サンマ漁船を海に戻す作業が、宮城県気仙沼市魚浜地区で始まった。
今回の漁船回収工事は、地元の皆さんをはじめ、報道関係者の注目度も非常に高く、マスコミの取材対応を兼ねて現地入りした当社広報担当者に、その様子を振り返ってもらった。

前代未聞の陸上サルベージ作業

津波で陸に打ち上げられた数々の漁船津波で陸に打ち上げられた数々の漁船

当工事は陸上にあがった5隻の船を海上に戻し、指定ドックへ曳航するまでの一連の工事である。
1隻目の漁船「第一明音丸」は岸壁までの運搬距離が約200mと他の4隻に比べて短く、作業エリアも比較的確保し易い状況ではあったが、非常に危険を伴う作業に違いない。
精緻な施工計画に基づき、作業手順を入念に検討してきたが、前例があるわけでもなく、あくまでも机上の計算によって推定する以外にないからだ。
言わば、「初めて行う陸上サルベージ」の実作業であり、現場は緊張感に包まれたなか、作業はスタートした。
※作業全体配置図

超大型重機が活躍

1隻当たりの漁船の総重量はそれぞれ約400tもあり、重機類は漁船を吊り上げるための650t吊クローラークレーン2台、カウンターウェイトの取り付け・解体など周辺作業を行なうための450t吊ラフタークレーン、積み込んだ漁船を移動させるMAX1,000t積みの大型キャリアなど、すべてが大きく、かつ重量物である。従って、路面の養生も欠かせない。
転圧後の砕石の上には厚さ50mmもの鉄板が敷かれている。クレーンのキャタピラが軋む音は物凄く迫力があり、正直、傍にいると怖いと感じるほどだ。

施工フロー

1隻の移動運搬〜着水までは最短で3日間の工程

  • クレーンによる船体吊り上げ(玉掛け)準備中クレーンによる船体吊り上げ(玉掛け)準備中
  • 着水に向かって、船体を徐々に吊り下げ中着水に向かって、船体を徐々に吊り下げ中
  • 一連の作業は、船底等の補修が必要ない場合でも、積込みから移動運搬、着水までに最短で丸3日間はかかる。幸いにして1隻目の主な作業は3日間の工程で無事に終了した。
    現在、2隻目の回収に取り掛かっているが、全隻を無事に引き渡すまでは決して気を弛めることはできない。現場は使命感と誇りをもって頑張っている。

工事所長 大島 等工事所長 大島 等

当工事の工事所長である大島等は、「私は一昨年の春から仙台市営地下鉄(東西線)の現場に勤務していましたが、この度の大震災によって、現場はストップしてしまいました。現場の再開までにはかなりの期間を要するため、諸々の震災復旧対応の中で、たまたま、今回の気仙沼漁船回収工事を担当することになりました。
『がんばろう東北』をスローガンに、今回は当地の基幹産業である漁業の再開に向けて、漁船を救出することで地域に貢献することができることを光栄に思っています。
やはり、我々建設業の使命は、社会資本の建設を通して、国土の保全と国民の安心・安全な生活を守ることだと思います。当社としても、今こそ、社会の要請、期待に応え、その使命をしっかりと果たしていかなければなりません。
今後も、公共・民間にとらわれることなく、港湾や沿岸域における物流、産業、生活を支えるインフラ整備など、被災地域の復旧・復興に向けて、全力で取り組んでまいります」と現在の心境を語っている。

7月下旬には当工事も主な作業を完了し、工事担当者としてきっと忘れられない思い出の現場になっていることだろう。

工事名称 気仙沼漁港漁船回収工事
工事場所 宮城県気仙沼市魚浜地内
工期 2011年5月18日〜2011年8月31日
発注者 回収船(第一明音丸)船主
回収船(第二十八豊清丸)船主
回収船(第六安洋丸)船主
回収船(第五朝洋丸)船主
回収船(第六十五新生丸)船主
施工者 五洋建設(株)
工事内容 漁船回収工 5隻
重機組立解体工 2台
運搬台車組立解体工 1台
がれき撤去工 一式
仮設道路設置工 一式
重機足場設置撤去工 一式
回収漁船曳航工 4隻


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