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新潟東港岸壁築造工事(その1・その2)

鋼管矢板・控え杭打設状況

コンテナ取扱貨物量が増大する中核国際港湾の耐震強化岸壁築造へ

本州日本海側で最大のコンテナ取扱量を誇り、日本海唯一の中核国際港湾として発展を遂げている新潟港。この東港地区では、東アジアの急速な経済成長に伴い、国際海上コンテナターミナルのコンテナ取扱貨物量が急速に増大し、コンテナ船の「沖待ち」が発生している。
そこで、増大するコンテナ需要に対応し、新潟東港の国際競争力を確保するため、また、阪神大震災クラスの大規模地震が発生した際にも物流機能を維持するために、耐震性のある国際海上コンテナターミナル増設工事をはじめ、航路、泊地、ふ頭用地の増設事業が展開されている。 当社JVは、このうち延長150m(その1工事:100m、その2工事:50m)の耐震強化岸壁築造工事を担当している。

高精度の構造形式と地盤改良工法を用いて耐震性能の強化

当工事の構造形式は、「控え組式鋼管矢板岸壁」を採用している。これは鋼管矢板として直径1.5mの杭を打設し、控え杭として直径1.0mと直径0.9mの大口径で長尺の杭を打設するもので、耐震強化の効果が高い。
また、既設岸壁築造部分の地盤改良工事では、高圧噴射工法(クロスジェット工法)と交差噴流式複合攪拌工法(JACSMAN工法)の2種類の工法を用いている。
既設構造物直下の地盤改良を行う場所ではクロスジェット工法を、地下埋設物のない場所では地形に影響されずに均一な改良体を造成できるJACSMAN工法を用いて、場所に応じた地盤改良を行っている。

(提供:北陸地方整備局 新潟港湾・空港整備事務所)

安全管理・環境対策も万全にした施工体制で

安全管理・環境対策については、土砂掘削時、土砂の仮置き場へ一般公道のダンプトラック走行が多いことから、交通法規の徹底を促すほか、杭打ちなど騒音・震動が発生する前には、事前に近隣にお知らせし、現場でも自主的に計測も行うなど、地域の方々への配慮を最優先にして施工計画を立てている。

  • 騒音震動測定状況騒音震動測定状況
  • 作業員休憩所(熱中症対策)作業員休憩所(熱中症対策)

また、熱中症対策として日よけを施した休憩所を設けて、熱中症対策グッズを常備するなど、工事関係者の健康管理も綿密に行っている。
さらに、ゴミの分別化をはじめ、現場内に地盤改良時の排泥処理施設を設置し、現場から排出される排泥を脱水、汚濁水はアルカリ性分の除去後、水質確認を行った上で、海に排出する。土砂については改良土として舗装工の路床材に再利用するなど、環境に優しい施工を展開している。

  • 排泥処理設備排泥処理設備
  • 水質管理 PH測定状況水質管理 PH測定状況

厳しい気象条件の下、地域のニーズに応えた国際海上コンテナターミナルを目指して

既に上部工に入り、1月の出来高は90%である。これから、冬季の日本海側特有の厳しい気象条件の下での、コンクリート工事を迎えることになる。
特に降雪の多い2月のコンクリート打設の養生方法が課題となるが、天候を見ながら工程の工夫・調整を図る予定だ。

総括所長 若松厚総括所長 若松厚

当工事の総括所長である若松厚は、「特定重要港湾で日本海唯一の中核国際港湾でもある新潟港の拡張・耐震強化工事は地元の期待も大きく注目度も高い工事です。これからも発注者である国土交通省北陸地方整備局や隣接する施工関係者との連携を密にしながら、無事故無災害で工期内完成を目指します」と語る。

2010年2月に工事が始まってから既に約30回に及ぶ現場見学会を開催し、マスコミ、発注者、地域の方々などに幅広く現場を公開している。

完成後は、当社の岸壁築造工事の技術力の高さと地域貢献力をアピールできる施設となり、今後の新潟における臨海部の事業展開の大きな足掛かりとなるであろう。

工事名称 新潟港(東港地区)岸壁(-12m)(西)(1号)築造工事(その1)
工事場所 新潟県新潟市北区横土居地内
工期 2010年2月23日〜2011年3月31日
発注者 国土交通省 北陸地方整備局
施工 五洋・若築・あおみ特定建設共同企業体
工事内容 矢板工 鋼管矢板(Ø1,500mm, L=33.2m)62本
控工 控鋼杭(海側:Ø900mm, L=24.0m  2本杭)60本
控鋼杭(陸側:Ø900mm, L=42.8m  3本杭)60本
上部工 一式
舗装工 一式
工事名称 新潟港(東港地区)岸壁(-12m)(西)(1号)築造工事(その2)
工事場所 新潟県新潟市北区横土居地内
工期 2010年3月4日〜2011年3月31日
発注者 国土交通省 北陸地方整備局
施工 五洋・若築・あおみ特定建設共同企業体
工事内容 本体工 鋼管矢板(Ø1,500mm, L=33.2m)36本
控工 控鋼杭(海側:Ø900mm, L=24.0m  2本杭)36本
控鋼杭(陸側:Ø900mm, L=42.8m  3本杭)36本
地盤改良工 一式
(高圧噴射攪拌工法、交差噴流式複合攪拌工法)
上部工 一式
舗装工 一式
保安設備工 一式


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