このページは、ホームソリューション・技術プロジェクトプロジェクトストーリー山口きらら博記念公園水泳プール新築工事のページです。
位置図(画像拡大)
山口県南西部に位置する山口市阿知須。瀬戸内海の穏やかな周防灘を望む臨海部に、1988年から1997年にかけて、当社が施工に携わった広大な干拓地がある。
そのなかの山口きらら博記念公園の敷地内で、現在、大規模な水泳競技場の工事が進んでいる。
これは、2011年9月に開催される第66回国民体育大会 「おいでませ!山口国体」と第11回全国障害者スポーツ大会「おいでませ!山口大会」の競泳、シンクロナイズドスイミング 及び水球などの各水泳競技会場の建設を目的としたものだ。
当社は、ここで、県内初となる屋内日本水泳連盟公認の50mメインプール、25mサブプールの建築工事をはじめ、プール底の高さが調整できる「可動床」の設置や、観客席1,212席(国体開催時には仮設スタンドを設置し、合計約2,000席)の設置工事などの建築工事全体を担当している。
- 完成予想図(外観)
- 完成予想図(50mメインプール)
メインプールの屋根部分は、鉄筋コンクリート造の柱から持ち出した鉄骨造となっており、キャンチトラスと張弦梁を合わせた複合張弦アーチにより構成されている。
その最大スパンは約60mとなっており、20のフレームが3.2m〜4.0mの間隔で並んでいる。
短手方向断面図
二重膜構造の屋根
鉄骨屋根工事では、その施工精度を確保するために、着工前に三次元応力解析を用いた鉄骨建方計画を行い、施工中には三次元計測システムを用いて建方精度を管理するという技術提案を実践した。
また、メインプール上部の屋根は外膜と内膜の二重膜構造になっており、外膜は酸化チタン光触媒微粒子を塗布したテフロン膜を採用。これはホコリ、チリなどの汚れが付着しても紫外線により汚れを分解し、親水性の効果により雨水で除去され、汚れが付着しにくい。
内膜は透光率の高いガラス繊維膜で自然光が確保できるので、プール内は全体的に明るく開放的、健康的で親しみやすい空間となる。
この膜屋根を採用することで、昼間の照明点灯を少なくできることから、省エネルギーにも貢献している。
1階平面図(画像拡大)
50mメインプールと25mサブプールでは可動床を設置し、メインで最大2.5m、サブで1.4mまでの水深を上下に調整可能となっている。
これにより、国体時には各水泳競技の拠点になるほか、温水プールとして通年の利用が可能であり、国体終了後には、児童・障害者・高齢者の大会や水中運動などの県民の健康づくりに対応できる山口県民のスポーツの中核的存在となる。
本工事現場は、干潟で国内有数の規模を誇る「椹野(ふしの)川干潟」に接し、渡り鳥のクロスロードであり、アマモ場、カブトガニ等の生息地でもある。
当社は、建設工事全体の統括安全衛生管理義務者として「自主管理組織」を発足させ、環境に影響する活動についてのルールを策定し、その運用と監視を行っている。
例えば、ゴミの分別を徹底し、3R(リデュース・リユース・リサイクル)活動を実施したり、現場内に汚濁処理施設を設置して、現場から排出される雨水・汚水を浄化し、アルカリ性の高い水を海に排出しないようにするなど、積極的に環境保全に取り組んでいる。
また、熱中症対策として作業員休憩所や工事現場内の静養所に冷暖房設備を設置するなど、快適職場の推進も積極的に進めており、2009年3月、山口県労働局長より、認定証が授与された。
- ゴミ分別状況
- 現場内に設置された汚濁処理施設
工事名称 | 山口きらら博記念公園水泳プール新築工事 | |
---|---|---|
工事場所 | 山口県山口市阿知須字遠石 | |
工期 | 2008年12月24日〜2011年3月23日 | |
発注者 | 山口県 | |
設計・監理 | 山口県建築指導課、(株)山下設計 | |
施工 | 五洋建設・井森工業・長沢建設特定建設工事共同企業体 | |
工事内容 | 主要用途 | プール・観覧場 |
メインプール
|
||
サブプール
|
||
構造 | 鉄筋コンクリート造(屋根:鉄骨造) 地上3階 地下1階 |
|
敷地面積 | 24,223.15m2 | |
延床面積 | 12,007.82m2 |