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VIVOCITY建築工事

波形の天井へ向かって、建物内をうねるらせん状の帯。その連動感を見事に演出。

曲線美を主張する伊東氏のデザイン構想は、屋根や内装にも及んでいる。
「ウェーブ・ルーフ」あるいは「サーフ・ルーフ」と呼ぶ屋根も3次元の波をイメージ。こちらは、鉄骨で1本1本ウェーブのラインをつくり、その上に木材を流して、「南京玉すだれ」のような構造で曲面を描いた。

また、施設北側と東側のアトリウムとモール中央部のイベントスペースには「スパイラル・ウォール」という大きならせん状の帯が、それぞれ地下2階から地上3階、地上1階から2階天井へ伸びている。それが、「リボン・シーリング」と呼ばれる波形の天井にそのままつながっているのだが、その連動感をどのようにして表現するかも検討された。工事の所長代理、伊原成章によると、「約60mある帯を、柱が支えるのではなく自立しているように見せるために、支持を3点に絞りました。素材は軽量でないと対応できないため、最終的にGFRG(繊維混入強化石膏)パネルを採用。また、伸縮目地を設けずシームレスとし、リボン・シーリングとの連動感を演出しました」。

  • リボン・シーリング

  • スパイラル・ウォール

海外工事では、このような施工のこと以外にもさまざまな課題がある。一つは言葉の問題。シンガポールでは、タイ、インド、バングラディシュ、中国とスタッフの国籍がまちまちで、日常のコミュニケーションをとるのさえ難しい。

さらに、シンガポールは完全な「契約社会」であるため、よりコミュニケーションに神経を使うことが多い。「発注者との間で、もの凄い量のレターをやりとりしました。1枚書いたか書かなかったかで1億円の差が出てしまうケースもあります。ビジネスの国際化が進む中、今後は日本でも同様の対応が必要になってくると思います。海外では勉強になることが多いです」と長尾。それを受けて山下は、「これからは、若い人たちにどんどん海外に出て、大きなプロジェクトに挑戦してもらいたいですね」と話す。伊原も、「我こそはと思う人は、ぜひ自分から手を挙げて意思表示してほしいです」と語った。

工事所長
山下 一志

本社や現地各社との連携により、計画より早く竣工。
この計画では、施工を始めた段階でデザインが固まっていなかったため、デザイン・設計・施工がほぼ並行して進んでいる状態でした。さらにできあがってきたデザインを、工期とコストを睨みながらカタチにしていくという、チャレンジの連続でした。最終的に、本社の建築本部、そしてプロジェクトに関わった現地協力会社の皆さんのおかげで、当初の計画よりも早く竣工を迎えることができました。

建築エンジニアリング部 部長
竹内 博幸

試行錯誤の末、今後の工事にも対応可能なノウハウを蓄積。
現地では下地をメッシュで構築して吹付けるという方法で実物大の試験体をつくり試してみましたがうまくいきませんでした。新たに考えた繊維混入吹付けモルタルを吹付ける工法も、自分自身が現地へ赴き実際に吹付けてみて、試行錯誤の末に採用を決定。今回の工事で新しいノウハウを蓄積できたので、今後も同様の工事に、この技術で対応することが可能になりました。
工事名称 ビボシティ建築工事
発注者 ビボシティ社
工期 2004年1月1日〜
2006年10月6日(33ヶ月)
設計・監理 工事監理 キャピタランドリテール社
基本設計 伊東豊雄建築設計事務所
意匠設計 DPアーキテクト社
構造設計 五洋建設株式会社
 (マインハート社)
設備設計 五洋建設株式会社
 (パーソンズブリンカホフ社)
工事場所 シンガポール
敷地面積 89,140.6m2
延床面積 286,850.0m2
用途 ショッピング、レストラン 娯楽施設、駐車場2,215台
階数 地下2階、
地上3階建(7階建駐車場)
構造 鉄筋コンクリート造


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