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呉地方合同庁舎建築工事(広島県)

現場全景

呉市の5つの官庁機能を集約した地域の中核拠点として

広島県の南部に位置し、穏やかな瀬戸内海に面した呉市。
この呉市の中枢部で、現在、広島法務局呉支局、広島地方検察庁呉支部・呉区検察庁、中国財務局呉出張所、呉税務署、呉労働基準監督署などの5つの官庁機能を集約する呉地方合同庁舎の新築工事が進んでいる。
この事業は、老朽化が進み、耐震性能が確保されていない呉市内に散在する5官署を合同庁舎として集約・合同化し、施設利用者の利便性向上と業務の効率化を図りつつ、地域の防災拠点施設を整備することを目的としたものだ。
当社は、ここで、既存庁舎(旧呉法務総合庁舎)の仮庁舎の建設、既存庁舎の取り壊し工事、新営庁舎建設工事、そして仮庁舎撤去作業までの呉合同庁舎新営工事に関わる一連の作業に携わっている。

  • 現場位置図現場位置図
  • 完成予想図完成予想図

構造体コンクリートの質の向上を図り、高品質・高精度の建物を構築

新庁舎の主要な構造体は、鉄筋コンクリート造である。防災拠点となるべく柱・梁等のフレームは、非常に頑強に計画されており、単位鉄筋量は160kg/m2を超えている。また、コンクリート造とすることにより重要な文書類の保管場所として高い耐火性能を期待されている。
当工事では、構造体コンクリートの質を向上させる取り組みをしている。コンクリートの打設・締め固めに関する工夫、外壁表面の急激な乾燥を抑制し初期ひび割れを防止する工夫、非常に多い鉄筋のかぶりを確実に確保する工夫等、構造体コンクリートの質の向上を図り高品質・高精度の耐久性の高い建物を構築している。

安全管理・環境対策の徹底化を図った施工管理体制を展開

基礎工事全景基礎工事全景

当工事は、地階があり地下水位が高く(GL-2.0m程度)水量が比較的多いため、止水性の高い山留壁としてSMW工法を採用し、杭は品質信頼性の高いPC杭を採用している。
山留壁打設及び杭打設の重機は、転倒する危険性のある杭打ち機を使用するため第三者への危害防止を第一優先に基礎工事計画は進められた。
既存庁舎の取り壊しを基礎まで完了させた後、新営工事着工前に地耐力調査を行い、表層部の地耐力を精査し、杭打ち機等の大型重機の転倒防止対策として地盤改良工事を実施した後、杭打ち工事等に着手した。

既存基礎部 撤去状況既存基礎部 撤去状況

また、現場の周囲は商業施設や住居といった建物が多いことから、地域の方々への配慮を最優先にし、作業時間管理のほか、常に騒音、振動、粉塵、排気ガス対策を図った施工管理体制で工事を進めた。
さらに、基礎の取り壊し工事では、破砕時に大きな騒音が発生しやすいが、ブレーカーの使用を控える工夫を施し、現場では油圧式圧砕機のみにて取り壊しを行い、既存庁舎の基礎ブロックや既存杭などは大型トレーラーで場外に運び、産業廃棄物処理施設にて小割するなど可能な限り騒音を抑えている。

港町「呉」の市民の皆様に便利と安心・安全を提供する施設へ

工事を受注した2011年2月から1ヵ月後の3月11日、東日本大震災が発生した。
大震災以降、発注者である国土交通省中国地方整備局においても新庁舎に求められるもののひとつとして防災拠点としての機能を強く意識された。
当初より計画されていた防潮堤や非常電源用のオイルタンクのあり方について、より現実的に停電時の対応や津波等の浸水時の使い勝手、電気を使用する機器に関する停電時のリスクを確認し、機械に頼るか人的対応に重きを置くか、また、使用電力の節電のため待機電源を減らすこと等に関して関係者による議論が交わされた。
また、屋上部分に太陽光パネルを増設するなど、自然災害や重大事故発生時の緊急時の防災拠点施設としての位置づけが明確に感じられる。

既に外装仕上工事を終了し、2013年1月末現在の進捗状況は80%。
呉市に相応しい重厚感溢れるレンガ調の外装も完了、2月からは高い公共性を追求したユニバーサルデザインを導入した内装・設備工事の最終段階に入る予定である。

工事所長 田中正浩工事所長 田中正浩

当工事の工事所長である田中正浩は「発注者である国土交通省中国地方整備局と入居予定の各官署のご要望を伺いながら、設計会社・監理会社・建築設備会社・協力会社と情報共有することで効率化を図っています。また、呉は当社発祥の地であることから、地元の皆様には非常に温かく迎えていただき、新庁舎の完成を心待ちにしてくださっています。
その思いに応えるためにも、安全第一を心掛け、地域の皆様に末永く愛される施設の提供を念頭に日々工事を進めています」と語る。

完成後は、呉市の方々にとって利便性のある施設のみならず、生命と財産を守る安心した施設となり、今後各地で展開される新庁舎建設工事の手本になっていくことが期待されている。

工事名称 呉合同建築工事 (建物名称 呉地方合同庁舎)
工事場所 広島県呉市中央
工期 2011年2月11日〜2013年3月31日
発注者 国土交通省 中国地方整備局
設計監修 国土交通省 中国地方整備局
設計・監理 設計:(株)梓設計
監理:(株)あい設計
施工 五洋建設(株)
工事内容 主要用途 庁舎
入居官署 広島法務局呉支局
広島地方検察庁呉支部・呉区検察庁
中国財務局呉出張所
呉税務署
呉労働基準監督署
構造 庁舎部分:鉄筋コンクリート造 地上7階 地下1階
立体駐車場部分:鉄骨造 地上3階
建築面積 1,860.88m2 (庁舎部分 1,054.06m2
延床面積 9,805.51m2 (庁舎部分 7,493.57m2
敷地面積 3,175.76m2


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