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八戸港八太郎地区北防波堤災害復旧工事(青森県)

倒壊ケーソン砕岩状況

巨大津波で甚大な被害受けた防波堤を再構築

津波による八戸北防波堤の被災状況津波による八戸北防波堤の被災状況
(提供:東北地方整備局 八戸港湾・空港整備事務所
  撮影:東北測量株式会社)

青森県南部に位置する八戸港。
物流ターミナル・フェリーターミナルなどの重要な役割を担ってきた八太郎地区で、現在、東日本大震災による巨大津波で甚大な被害を受けた北防波堤(総延長:3,500m)の災害復旧事業が進んでいる。

北防波堤は、6m級の巨大津波により、その4割が倒壊した。
現在は、その倒壊部からの波浪の浸入により、船舶の接岸及びコンビナート荷役などの物流機能に支障をきたしている。
このため、港湾内の静穏性を確保し、地域の防災機能や産業機能の早期の復旧・復興が求められている。

当社は、この災害復旧工事の一環として、2011年9月末から、八太郎地区北防波堤中央部(延長:1,550m)のうち、八戸港八太郎地区防波堤(北)(災害復旧)ケーソン撤去外工事(延長:約337m)と八戸港八太郎地区防波堤(北)(災害復旧)ケーソン撤去外工事(その5)(延長:約160m)においてケーソン撤去及び据付工事を担当、北防波堤で倒壊したケーソンの移設・撤去・製作・据付を行っている。

砕岩棒とグラブ浚渫船を用いてケーソン撤去作業の安全と施工を効率化

倒壊したケーソンの撤去作業は、砕岩棒を用いて砕いた後、海中に沈んだコンクリートガラや中詰材などをヘビー級グラブバケットで浚渫し、撤去している。

まず、事前測量を行い、傾斜・倒壊ケーソンの位置・傾斜状況を正確に把握。そしてそれらの情報を作業船の施工管理システムに取り込むことで、正確な打撃位置を決定し、効率的な破砕・撤去作業を進めている。

特にケーソンの傾斜角が大きい部分では、砕岩棒の滑りによる吊りワイヤの切断や砕岩棒が海中に落下する危険性が生じる。このため、大小の砕岩棒を使い分けるとともに、ヘビー級グラブバケットを使用することで、安全性および作業効率を高めている。

海上でのケーソン破砕・撤去作業

一方、撤去したケーソン材(コンクリート及び中詰砂)は土運船にて陸上ヤードに運搬し、コンクリートガラと砂との分別及びコンクリートガラの二次破砕を行った。これらの材料は、新規に設置するケーソンの中詰材としてリサイクルすることにより、廃棄物を少なくするといった環境への配慮を行っている。

  • コンクリートガラ集積状況スケルトンバケットによるふるい分け作業
  • コンクリートガラ集積状況PHBS構法 適用部分

厳しい海象条件のもと、地域の要望に応え早期の港湾機能の復旧へ

当工事は、外洋に面している防波堤の復旧であり、前面に仮設消波ブロック堤が設置されているものの、うねりといった長周期波を直接受ける。
冬季は、オホーツク海で発達した低気圧により、約20mを超える北風とうねりが、春先は南岸低気圧の通過により台風並みの波浪が発生し、秋は、台風による波浪の影響を受けるなど非常に海象条件が厳しい場所である。
また、作業区域は、八戸港主要営業航路(八太郎航路)が近いことから、大型作業船の固定にはアンカーを使うことができず、スパッドを使用しているため、通常より船体の揺れが激しい。

こうした気象・海象のもと、背面の供用岸壁を使用する航行船舶の入出港との調整に対応できるように、破砕撤去やケーソン据付といった起重機作業はもちろん、すべての海上作業において柔軟な工程調整および安全管理を行っている。

既に、八戸港八太郎地区防波堤(北)(災害復旧)ケーソン撤去外工事は無事に竣工を迎えつつあり、八戸港八太郎地区防波堤(北)(災害復旧)ケーソン撤去外工事(その5)はケーソン撤去・浮上を終了、新たに製作されたケーソンの据付を完了した段階で、10月末の出来高は約90%である。

工事所長 下川床工事所長 下川床 徹

八戸港八太郎地区防波堤(北)(災害復旧)ケーソン撤去外工事の工事所長である下川床徹は、「当工事は、初の被災港湾での防波堤復旧工事のパイロット工事でした。
砕岩棒での倒壊ケーソンの破砕は前例も少なく、その衝撃が隣接するケーソンや船体に与える影響は予測困難でした。
施工を開始したところ、ケーソンの傾斜で砕岩棒が滑動落下し、クレーン部ブレーキ焼損にとどまらず、クレーン本体まで疲労亀裂が発生しました。また、船体に受けるダメージも大きく、スパッドや周囲の船底に疲労亀裂が入り、海水が浸水してグラブ船が大きく傾斜することもありました。復興物資の陸揚が優先であるため、修理専用の岸壁を確保できず、吹雪の中、海上で船体の応急処置を繰り返しながら施工を続けました」と語る。

工事所長 定利朋彦工事所長 定利朋彦

一方、八戸港八太郎地区防波堤(北)(災害復旧)ケーソン撤去外工事(その5)の工事所長である定利朋彦は、「ケーソン撤去・据付工事では、八戸港八太郎地区防波堤(北)(災害復旧)ケーソン撤去外工事で得たノウハウを活かして工事を進めました。再利用ケーソンの中詰撤去・浮上・据付作業では、着工前に再利用ケーソン本体やマウンドの状況を調査し、使用の可否の判断、撤去作業では、再利用ケーソンに損傷を与えないよう、細心の注意を払いました。
現在は、北防波堤の全工区で効率良く工事を進めるために、作業船や使用岸壁など、他社と調整しながら工事を進めています」と語る。

八戸港八太郎地区の地域を守り、地元の産業機能を支える北防波堤災害復旧工事。
全体工事が完成すると、地元地域の方々は安全で安心な暮らしを取り戻し、地元の産業も一層活発化していくことになる。
臨海部ナンバーワン企業として、その海洋土木の技術力と地域貢献力を最大限に発揮した工事である。

工事名称 八戸港八太郎地区防波堤(北)(災害復旧)ケーソン撤去外工事
工事場所 青森県八戸市八戸港港内
工期 2011年9月30日〜2012年12月20日
発注者 国土交通省 東北地方整備局
施工 五洋・みらい・本間特定建設工事共同企業体
工事内容 構造物撤去工 ケーソン破砕・撤去27函(コンクリート24,000m3
中詰材撤去 27函(砂31,000m3
基礎工 基礎捨石 一式(6,000m3
本均し 一式(3,000m2
荒均し 一式(2,000m2
本体工 ケーソン回航 17函
ケーソン据付 17函
工事名称 八戸港八太郎地区防波堤(北)(災害復旧)ケーソン撤去外工事(その5)
工事場所 青森県八戸市八戸港港内
工期 2012年3月14日〜2012年12月14日
発注者 国土交通省 東北地方整備局
施工 五洋・みらい特定建設工事共同企業体
工事内容 構造物撤去工 ケーソン破砕・撤去14函(コンクリート9,200m3
中詰材撤去15函(砂9,400m3
破砕コンクリート等運搬陸揚げ(18,600m3
コンクリート二次破砕(1,800m3
基礎工 基礎捨石 一式(11,600m3
本均し 一式(1,400m2
荒均し 一式(4,700m2
蓋コンクリート(1,063m3
本体工 ケーソン回航 9函
ケーソン据付 9函
ケーソン浮上据付 1函
ケーソン中詰 17,100m3
被覆・根固工 固ブロック据付 一式


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