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大阪港夢洲トンネル沈埋部(7・8号函)沈設工事。沈埋函トンネル工事で、さらなる信頼とノウハウを蓄積

大阪湾臨海部の動脈を、沈埋トンネル工法で建設

地図位置図

大阪港では、臨海部に都市機能を集積させるための整備が推進されている。その中で、夢洲〜咲洲を結ぶ海底トンネルとして工事が進められてきたのが「大阪港夢洲トンネル」である。延長約2.1kmのトンネルで、鉄道と道路が併設される。

夢洲と咲洲の間にはコンテナ船や大型客船の主航路があるため、橋梁は船舶の航行に支障をきたす可能性がある。また、夢洲側は十分な奥行きがないため、海底トンネルへの道路のアプローチ部を長くとることが難しい。

そこで、シールド工法に比べアプローチ部の短縮が可能な沈埋トンネル工法を採用することとなった。海底に埋設する沈埋函は8函。当社では、過去にその2号函を製作し、さらに夢洲側とトンネルをつなぐ7・8号函の沈設工事を2006年8月より進めてきた。

艤装品を搭載した沈埋函を設置場所へ曳航し、水圧接合

工事所長 松山章工事所長 松山 章

7・8号函の函体は、近くの堺市にある日立造船鉄構(株)の堺事業所で製作された後、築造工事を施工する当社が、函体に一次艤装を行い、咲洲の仮置場まで曳航。その間、沈設の現場では基礎工を行った。仮置場で、沈設に必要な設備を搭載(二次艤装工)した後、沈埋函を現場まで曳航。先に8号函を埋設し、最後に6・8号函の間に最終継手となる7号函を沈設した。両側の函と接合後、接合部の水を抜くことで、端面に設置したゴムが水圧で圧縮され、止水・連結されるという仕組みである。

沈設時は、海上および海底での作業となるため、苦労したのは現場内の連絡手段だった。海底では携帯電話が通じない。メールを送っておけば作業後に地上で確認はできるが、タイムリーに情報を交換しにくい。そこで、「陸上からアンテナを引いたり、函上のタワーにアンテナを設置して無線LANを導入し、最終結合までメールでやりとりしました」と、同現場の所長、松山章は説明する。

さらに、沈設作業中は海上にウインチタワーが出たままとなり、船舶の航行に影響を与えるので短期間で作業を終えなければならない。そのため、函の沈埋と水圧接合は昼夜の連続作業を行った。

  • 1.基礎工
    海底面の床掘後、トレミー台船で基礎砕石・基礎面均しを行い、仮支承台設置
  • 2.一次艤装工
    水圧接合装置・鉛直ストッパーなど、函外艤装品の設置
  • 3.一次曳航
    函体製作所から設置場所近くの仮置場所へ曳航
  • 4.二次艤装工
    沈設ポンツーン設置など海底沈設に必要な備品の設置
  • 5.沈設工
    既設沈埋函6号函と8号函の間に最終沈埋函7号函の設置および水圧接合
  • 6.函内工
    函外艤装品撤去・バルグヘッド撤去後、埋め戻し工を施し、完了

進化した沈埋函接合技術「キーエレメント工法」

7号函と6・8号函の接合においては、当社の最終継手工法「キーエレメント工法」が沈埋トンネル工事で初めて採用された。
沈埋函同士の最終接合部分では、接合に必要な水平移動のために隙間が残ってしまう。「大阪港咲洲トンネル」や「神戸港港島トンネル」などの従来工事では、くさび形状(V型)のブロックを貫入させて処理する「Vブロック工法」が採用された。

今回の工事で採用された「キーエレメント工法」は、「Vブロック工法」の原理を応用、発展させたものである。最終沈埋函(キーエレメント)の端部を傾斜させ、横長のくさび形状(逆台形)とし、両側の既設函の間に沈設。沈埋函がくさび形状であることから、上面にかかる水圧が下面からの水圧よりも大きくなる。沈設の後、両側の既設函とキーエレメントのバルクヘッド(沈埋函端部のフタ)に挟まれた水を排水すると、キーエレメントに下向きの大きな圧力がかかる。この水圧による接合力を利用して、接合部の端面に配置したゴムガスケットを圧縮、密着させることで、完全な止水を実現するという工法である。

止水の役目を果たすゴムガスケットには、伸縮性止水ゴム(スーパーホルン)を採用。このゴムは既設函側に配置してあり、キーエレメント沈設後に空気で伸縮させて密着させる。密着確認後に空気部分にモルタルを注入し、そのモルタルの硬化後、水圧接合を実施する。

このゴムは伸縮性を有するため、従来のゴムガスケットに比べ、沈埋函の製作や据付で生じる誤差を吸収する能力が高く(およそ6倍)、止水性に優れていることが特徴といえる。

また、「キーエレメント工法」では、沈埋函自体が最終継手を兼ねるため、「Vブロック工法」など最終継手を別途施工する工法に比べて、コストの縮減や工期短縮が可能となる。

本工事着工前から本社土木設計部で「キーエレメント工法」の開発に携わってきた工事主任の段塚隆雄は、「測量は、水中で超音波を使う方法と陸上で基点を押さえて光波から算定する方法を併用しました。測量の作業は数日で終わりますが、どこの長さをどうやって測るかというシミュレーションは何度も繰り返し、実際に函を据え付けるまで1年近い歳月を費やしました。沈埋函の曳航や沈設の作業自体は全体工期のなかで短期間のものではありますが、シミュレーションや測量といった事前作業をしっかりやることが沈埋トンネル工事では非常に大切です」と話す。

Vブロック工法とキーエレメント工法の詳細図画像を拡大する

キーエレメント工法による沈埋函の水圧接合キーエレメント工法による沈埋函の水圧接合画像を拡大する

最終継手を任されるのは信頼の証

夢洲トンネルは、最終継手函である7号函沈埋後、2007年9月4日に貫通式を終え、本工事は無事に竣工を迎えた。
本工事を振り返って、工事所長の松山は、「どれだけ入念に準備をし、99%の自信で接合の瞬間に臨んだとしても、想定外のことが起こる可能性はあります。残りの1%の考えられる課題に最後まで意識を向け続けたからこそ、無事に接合を完了できたと感じています。次に沈埋トンネルを建設する現場には、ぜひそのことを伝えたいです」と話す。

当社は、「大阪港咲洲トンネル」や「神戸港港島トンネル」でも最終継手を任された。沈埋トンネル工事では、最後の函を繋げる作業が一番の難所。その部分を常に任されていることは、発注者から厚い信頼が寄せられていることの証でもある。今回、本工事が無事、竣工を迎えることで、信頼の上にさらに信頼を築いたと言える。沈埋トンネルが今後も各地の臨海部で交通網として採用される可能性は高い。

「今回の工事が無事に完了したから良かったということで終わらず、次はさらにプラスアルファのものを造るという気構えで頑張りたい。この現場で培ったものは、沈埋トンネルに限らず他の工事でも活用できるものは必ずあるはずです」と松山。当社が強みとする臨海エリアでの信頼と実績、そして全社的に活用できるノウハウが、この工事でさらに積み上がった。

工事名称 大阪港夢洲トンネル沈埋部(7・8号函)沈設等工事
発注者 国土交通省 近畿地方整備局
施工者 五洋・みらい・不動テトラ特定建設工事共同企業体
工期 2006.8.10〜2008.3.25
工事場所 大阪府大阪市此花区夢洲東1丁目地先
工事概要 基礎工 一式
艤装工 2函
曳航・仮設工 2函
立坑部端面調整工 一式
沈設工 2函
撤去工 一式
函外工 一式
函内工 一式
埋戻工 75,267m3
付属工 一式
仮設設備 一式
計測管理工 一式


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