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みなとみらい21建築工事(神奈川県)

高層マンション建設ラッシュのみなとみらい地区を、品質と速さでリード。

時代の最先端を感じさせる街の「住のランドマーク」を目指して。

位置図

人々のふれあい、賑わい、憩い、文化の香りなど、多彩な魅力を備えた横浜の新都心・みなとみらい21地区。その北側のエリアでは、近年、数棟の高層マンションの建設が同時に進められている。そして、当社が手掛けた「Brillia GrandeみなとみらいOCEAN & PARK」が2007年11月に竣工した。

建設地は、海側に位置するみなとみらい5丁目50街区南。2003年、横浜市港湾局と当時の都市基盤整備公団(現・都市再生機構)による提案公募に対し、事業者、設計事務所とともに街のイメージに合わせた内容を組み立てて応募し、受注に至った案件である。

横浜港を一望できるOCEAN棟、高島中央公園に隣接するPARK棟のツインタワーで構成され、それぞれが地上30階・地下1階建で、全555戸の住戸を擁する。2つの高層棟の間には、マンションのエントランスを兼ね、店舗やミニシアターも備える地上2階建の商業棟がある。

高層棟の29階には、空中庭園(OCEAN棟は「水」、PARK棟は「樹木」がテーマ)や展望ラウンジといった共有スペースを設置。展望ラウンジからは、ベイブリッジなど横浜港のロケーションを一望できる。そのほか、ゲストルームやパーティールームなど来訪者用の施設も充実している。新築の高層マンションが林立する中、最も海側にそびえるツインタワーは、さながら「住のランドマーク」といった印象である。

その洗練されたライフステージにふさわしい品質を保ちながら、工期の短縮を図るために、当工事ではプレキャスト工法(PCa工法)の採用をはじめ、タワークレーンやクライミング足場を駆使するなど、現場で独自の工夫が展開されていった。

施行中の様子(2006年12月)

PCa工法の採用により、部材の均一化と工期短縮を実現。

当工事では、2つの棟にタワークレーンを2基ずつ立て、PCa工法で施工を行った。関東近県の工場で製作した部材をトレーラーで現場に搬入し、組み立てていく。 コンクリートを現場で打設するよりも、部材の均一化が図られ安定した品質を保つことが可能。作業もシンプルになるので、工期短縮につながり、安全性も向上する。また、専門工事などのスペシャリストを手配するといった人員調整の手間も軽減できる。

同現場の所長を務める奥田敏は、「在来工法なら1フロアあたり10〜12日かかるところを、PCa工法を採用したことにより5日で施工することができました。隣接した物件よりも基礎工事の完了が遅かったのにも関わらず、こちらが先に上棟したようにスピードは歴然です」と説明。結果的に、計画工程よりも前倒しで工事は進行した。

タワークレーンとクライミング足場の効率的な活用で、作業時間と労務を大幅に削減。

当工事には過去に超高層マンション建築を経験した職員が多く集まったことから、その知識とノウハウを生かすために、支店においてこれまで他の超高層建築に従事した職員と協力しながら、現場で大規模な施工検討会を行った。部材をどのような方法で揚重するか意見を出し合い、その結果、建物の規模も大きいことから、タワークレーンを駆使することになった。

一般的に、高層の施工にあたっては、ALC板(外壁の部材)や石膏ボード、LGS(軽量鉄骨下地)、コーナー部分のサッシなどの部材は、工事用エレベーターで揚げるケースが多い。しかし、タワークレーンなら圧倒的なスピードで運べ、トラックの上で玉掛けをしてすぐに揚重できるので、手運びで部材を出し入れするエレベーターに比べて作業員の労務削減も図られる。現場では、1日につき1基最大90回もタワークレーンを稼働させ、作業時間の短縮に努めた。

また、足場に関しては、3層分のコーナーのみをカバーする足場を、施工最上階から吊り下げる「クライミング足場」を採用。各層それぞれの作業が終わったら、足場を1層ずつ吊り上げていく。外周全て足場を設けるよりもコストを削減できるだけでなく、足場に関わるタワークレーンの揚重回数も減らすことが可能。他の用途にタワークレーンを駆使できることから、全体的な作業効率の向上にもつながった。

PCa工法による施工フロー

  • 1日目
    PCa柱取付け
  • 1日目
    PCa梁取付け
  • 2日目
    PC床板取付け・鉄骨階段取付け
  • 3日目
    PCaバルコニー床板取付け
  • 4日目
    床配筋・PCaマリオン取付け
  • 5日目
    コンクリート打設・足場せり上げ

海風から美観を守る万全な塩害対策。

バルコニー部分

臨海部に建設する物件だけに、塩害対策にも配慮した。バルコニーのサッシとアルミ手摺は非酸化被膜を厚くしたり、被膜仕様を改良したりして長期的な防錆を図った。

さらに、バルコニーのマリオン(縦枠材)と梁・床との角には、PCa部材同士をつなげる「ファスナー」と呼ばれる金物が配置されているが、ここを雨風などから保護する必要がある。現場の職員による提案で、防錆処理をしたアルミ製のカバーで覆った。

クオリティの高いライフステージの美観と快適性を末長く保つための工夫が、細部に活きている。

良好な職場環境づくりで、工事の品質向上を図る。

中満 祐二 総括所長

同現場では、作業員の休憩所や喫煙コーナー、仮設トイレなどの施設を充実させ、快適な職場環境づくりにも力を注いだ。

総括所長の中満祐二は、「現場には着工から延べ14万5,000人、ピーク時は1日500人近くの作業員が出入りしていましたので、一人ひとりが働きやすい職場環境となるよう、その充実に努めました。また、さまざまな工種とそれを担当する職人の皆さんが錯綜するので、彼らをまとめる職長の役割が大きく、職長会の活動を重視。2ヶ月に1回は慰安と交流も兼ねた交流会を開き、コミュニケーションを強化しました。しかも、職長会の会長・副会長は3ヶ月交代にして、できるだけ多くの職長を役員に任命。個々の負担軽減と意識向上も図りました。」と語る。

さらに、「思いやり声かけ運動」を展開。「おはようございます」「ありがとうございます」「お疲れさまです」などの挨拶を職員が積極的に働きかけ、現場中で明るい挨拶が飛び交うようになった。

また当工事の基礎・躯体・外構工事は、当社の土木系グループ会社、五栄土木株式会社と連携し、新たなコミュニケーションがこの現場で生まれた。
それら職場環境づくりの取り組みが神奈川労働局長から認められ、事業場の快適職場推進計画に対する厚生労働大臣の指針に照らされた現場であることの認定を受けることができた。

こうしたさまざまな取り組みが実を結び、大手建設会社が競い合うように工事を進めるエリアのリーダー現場として、順調に竣工を迎えた「Brillia Grande みなとみらいOCEAN&PARK」。

臨海部ナンバーワン企業としての誇りを持ちながら、現場での緊密なコミュニケーションを通じて、より良いモノづくりを実践した。

工事名称 Brillia Grande みなとみらい OCEAN & PARK新築工事
発注者 八重洲開発特定目的会社
(東京建物(株)、スターツデベロップメント(株)、生活協同組合東京住宅センター)
施工者 五洋建設(株)
工期 2005.4.1〜2007.11.15
工事場所 神奈川県横浜市西区みなとみらい50街区南
工事概要 建物用途 共同住宅 555戸(OCEAN棟 280戸・PARK棟 275戸)
店舗、ミニシアター
構造 高層棟 鉄筋コンクリート造 地上30階 地下1階
商業棟 鉄骨造 地上2階
建築面積 5,519.45m2
延床面積 73,342.78m2


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