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What's New

国内で初めて港湾工事に本格的なCIMを導入

2018年03月27日

五洋建設株式会社(社長:清水琢三)は、国土交通省が推進するCIM(Construction Information Modeling/Management)の一環として、相馬港のLNG基地建設工事において、港湾工事としては初めて、本格的にCIMを導入しました(図1参照)。

国土交通省は、CIMの取り組みを2012年度に始め、現在まで多くの試行業務や試行工事を実施し、2017年3月にCIM導入ガイドラインが公開されました。港湾分野でも、2018年度中に港湾版CIM導入ガイドラインの公開が予定されるなどICT導入が加速されています。当社は、この動きに先行して、将来的な港湾工事の生産性向上に資するため、相馬港のLNG基地建設工事(発注者:石油資源開発株式会社)において本格的なCIMを導入しました。
本取り組みは、港湾工事におけるCIMの効果検証を目的とし、桟橋築造ならびにその付帯施設構築におけるほぼすべての工種を対象としました。主な取り組み内容は以下の通りです。

1.時系列的な施工手順の検討
  構造物の3Dデータに構築の時間要素を考慮した4Dシミュレーション(図2)による
  工期全体にわたる空間的な施工手順の確認

2.海底地盤の可視化による出来形管理
  支持層を含む海底地層の可視化と鋼管杭の支持層への根入れ長の確認(図3)

3.施工前および施工中の干渉チェック
  ・上部工の配筋と付帯施設のアンカーおよび配管の干渉チェック(図4)
  ・鋼管杭の現地出来形の逐次入力による鋼管杭と工場製作されたジャケットの干渉チェック
  ・ドローンを用いて3Dモデル化した既設構造物と新設する桟橋渡橋の干渉チェック
  ・上部工構築のための仮設支保工と桟橋部材の取り合い検討

4.打設記録等の施工情報のCIMモデルへの付与

CIMの導入により、工事着手前に、構造物の位置関係や各部材、仮設構造の取り合いなどの干渉チェックが効率的に実施できるようになりました。また、これまで職員や協力業者が個別に検討し、とりまとめに時間を要していた船舶の配置計画や資機材の搬入計画、その他の作業計画を3Dモデルに統合し、工事の進捗状況を反映した4Dシミュレーションを可能にしました。これらの取り組みにより、作業者全員で工事イメージを共有できたため、施工の効率化に加え、安全性の向上にも寄与しました。また、工事関係者への説明においても意思の疎通を円滑に図ることができました。

港湾工事は厳しい環境下に置かれるため、CIMの導入は施工の効率化だけでなく、出来形などの情報の蓄積が将来の維持管理や被災後の対応等に大きく役立ちます。当社はこれからもCIMやi-Constructionに積極的に取り組むことで、建設生産プロセスの合理化につとめ、建設現場の生産性向上に貢献してまいります。

図1 : 桟橋のCIMモデル


桟橋のCIMモデル

図2 : 4D シミュレーションにより施工手順を検討


4D シミュレーションにより施工手順を検討

図3 : 鋼管杭の根入れ長の確認


鋼管杭の根入れ長の確認

図4 : 上部工の配筋と付帯施設のアンカーや配管の干渉チェック


部工の配筋と付帯施設のアンカーや配管の干渉チェック

■連絡先
五洋建設株式会社 技術研究所 土木技術開発部
担当:石田 仁・琴浦 毅
住所:栃木県那須塩原市四区町1534-1
TEL :0287-39-2103



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