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What's New

サンゴ礁州島形成のメカニズムを解明
〜サンゴ礁の維持・保全に貢献できる形成モデルを構築〜

2014年10月17日

五洋建設株式会社(社長 清水琢三)と国立大学法人東京大学および公立大学法人高知工科大学は、国土交通省建設技術研究開発助成制度による研究「サンゴ礁州島形成モデルの開発(研究代表:東京大学)」を行い、サンゴ礁州島の形成メカニズムを解明しました。

サンゴ礁州島とは、サンゴ礁上にサンゴ礫などが打ち上げられて作られる地形で、インド洋や太平洋島嶼国で多く見られます。サンゴ礁のリーフエッジによって砕波が生じ、その強い流れによってサンゴ礫が運搬・堆積することにより形成されます。サンゴ礁州島は台風などの暴浪時に短時間(数時間〜数ヶ月)で形成された事例もあることから、その形成メカニズムを理解することで、わが国島嶼部だけに留まらず、地球温暖化による海面上昇によって水没が危惧されている太平洋の島嶼国の国土保全に役立てる新しい生態工学技術として実用化が期待されていました。

サンゴ礁州島形成のイメージ(画像拡大)

今回の研究では、先ず、沖縄県西表島の北側に位置するバラス島を対象に現地調査を行いました。その結果、白化で死亡したサンゴが礫になって堆積し島を大きくしていること、ならびに2012年の台風来襲時に島がリーフ上で移動・変形しながら維持されていることを確認しました。次に、当社所有の平面水槽にて砂をサンゴ礫に見立てて行った実験では、太平洋島嶼国の環礁州島に見られるようなリング状の島が形成・維持される現象を再現することができました。そして、サンゴ礁州島の形成・維持過程には、サンゴ礁リーフエッジにおける砕波による波高減衰、サンゴ礁リーフの大きさと波長との相対関係、そして島形成による波・流れの遮蔽作用が重要であることを解明しました。

さらに、サンゴ礁州島形成の予測を行うため、エネルギー平衡方程式にサーフェスローラーの砕波減衰を考慮したモデルにより、リーフ内の平均水位やリーフエッジの砕波による波浪減衰、リーフ後方に向けた流速の増大などを再現することができました。本モデルの開発によりサンゴ礁州島形成の予測が可能となり、維持・保全のために活用されることが期待されます。

当社は今後も本研究を継続し、国内外のサンゴ礁海岸や離島保全に役立てるよう研究開発を進め、国土保全に大きく貢献してまいります。
なお、本成果は、国土交通省の建設技術研究開発助成制度の採択課題として研究を行った成果です。

  • クラテキュア噴霧状況モデルとしたサンゴ礁州島「バラス島」
  • クラテキュア噴霧状況水槽実験による州島再現状況


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