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What's New

切羽前方コアサンプリングシステムを開発
〜ドリルジャンボを使用した、初の水平コアボーリングシステム〜

2012年07月31日

五洋建設株式会社(社長:村重芳雄)は、NATM工法等で施工されるトンネルにおいて、切羽前方の地質構造や地山性状を効率的に把握できる「切羽前方コアサンプリングシステム」を西日本高速道路株式会社(社長:石塚由成)と共同開発しました。
本システムは、トンネル汎用機械であるドリルジャンボを用いて切羽前方地山から岩石コアのサンプリングを行う初の水平コアボーリングシステムで、現在特許出願中です(特願2010-35025)。

トンネルを安全かつ効率的に掘削するためには,切羽前方の地質構造や地山性状を精度良く把握することが重要です。現在坑内からの切羽前方地山の探査は,主に(1)専用ボーリングマシンによる水平ボーリング、(2)TSP(弾性波)探査等の物理探査、ならびに(3)ドリルジャンボによる削孔エネルギー検層のいずれか、またはそれぞれを組み合わせて行われています。これらの探査手法は、精度は良いが機械設備が大規模になる、機械設備は小規模だが直接的に地質の評価ができないなどの問題点を有しています。
そこで、専用の機械設備を用いずに切羽前方地山の岩石試料(コア)を採取し、直接的に地質を評価できる「切羽前方コアサンプリングシステム」を開発しました。本システムの特徴は以下の通りです。
1.専用の機械設備を用いず、汎用機械であるドリルジャンボでコア採取が可能。
2.トンネル作業員による施工が可能。
3.任意の探査深度で岩石コアの採取が可能。
4.ドリルジャンボで削孔できる場所であれば、任意の断面位置で迅速な探査が可能。
5.採取したコアで、点載荷試験や浸水崩壊度試験、X線回折試験等の岩石試験により、地山性状を直接的かつ定量的に評価することが可能。

  1. 施工は二重管削孔による施工を基本としています。1サイクル(1m)の施工手順は以下の通りです。
    1.ドリルジャンボで孔壁を保護するための外管を打設する。
    2.岩石コアを採取するためのパイプロッド(コアケース入り)を外管内に挿入し、パイプロッドのみを1m打設する。
    3.パイプロッドを引抜き、コアケースを回収する。
    必要な位置・延長のコアを採取するまで、この手順を繰り返していきます。コア採取1サイクル(1m)あたりの所要時間は30分程度であり、探査準備も容易に行えるため、従来の専用ボーリングマシンによる水平ボーリングよりも施工時間を大幅に短縮できます。
    本システムは、当社施工の2件の道路トンネル工事で適用しております。今後はコア採取率の向上に向けて、(1)地質に応じたビット形状の最適化、(2)削孔水によるコアの流失防止対策、(3)コア取り出し時のコアの損失・損傷防止対策に関する取り組みを行い、汎用性のある水平コアボーリングシステムとして普及を図ってまいります。

  • 採取した岩石コアの例採取した岩石コアの例


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