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What's New

塩害抑制表面含浸材「T&C防食-塩害用-」を開発
〜塩害環境下のコンクリート構造物の耐久性を飛躍的に向上〜

2012年03月19日

五洋建設株式会社(社長:村重芳雄)と株式会社日興(社長:塩田哲康)は、東洋大学理工学部 福手勤教授の指導のもと、鉄筋コンクリート構造物の塩害抑制効果に特化した表面含浸材「T&C防食-塩害用-」を開発しました。「T&C防食-塩害用-」は、2011年8月に国土交通省の新技術情報提供システム(New Technology Information System:NETIS)に登録し、この度NETIS(評価情報)にランクアップしました(登録番号:HKK-110001-V)。
2017年11月 NETIS登録番号HKK−110001-VRへ変更

現在、建設後年代を経た港湾構造物や、凍結防止剤の散布による道路構造物における塩害劣化が大きな問題となっています。一方で、本格的な維持更新時代を迎えるにあたり、厳しい財政制約のもと、費用対効果に優れた塩害対策工法が求められています。
この度開発した「T&C防食-塩害用-」は硬化後のコンクリート表面に浸透性の高い無色透明の緻密化と、撥水化を促す2種類の液体を塗布することで、コンクリート表面の外観を変えることなく浸透部を緻密化した上に、更に撥水性を付与することができるハイブリッド型の表面含浸材です。2004年5月に建設技術審査証明を取得した表面含浸工法「T&C防食」(建設技術審査証明 第0403号)に使用していた材料の構成を改良し、特に塩化物イオンの侵入抑制効果を高めました。
コンクリートの表層部に撥水性を付与することで、飛沫や波浪等に含まれる塩分や水分等の劣化因子がコンクリート表面に付着することを防ぎ、更に緻密化することで、コンクリート内部の劣化因子の侵入経路を狭めることができます。この2つの効果によってコンクリート内部への劣化因子の侵入を効果的に抑制することができます。各種遮塩性試験結果による試算では、塩害に対する耐久性を無処理に比べ3倍以上に向上できることを確認しました。

  • 無処理 塩害イメージ無処理 塩害イメージ
  • T&C防食-塩害用-塩害イメージT&C防食-塩害用-塩害イメージ

遮塩性試験結果1

【遮塩性試験結果1】
W/C=55%の普通ポルトランドセメントを使用したコンクリート供試体を10%NaCl溶液に1年間浸漬した後、塩化物イオン濃度分布を確認しました。その結果、「T&C防食-塩害用-」を塗布することでコンクリート内部への塩化物イオンの浸透(見掛けの拡散係数)を無処理の場合と比較し80%以上低減できることを確認しました。


【遮塩性試験結果2】
W/C=55%の普通ポルトランドセメント、高炉セメントB種を使用した、厚さ5cmのコンクリート供試体に、電気的に塩化物イオンを通過させる電気泳動試験を実施しました。その結果、「T&C防食-塩害用-」を塗布することでコンクリート内部への塩化物イオンの浸透(実効拡散係数)を無処理の場合と比較し80%程度低減できることを確認しました。

遮塩性試験結果2

塗布作業状況塗布作業状況

「T&C防食-塩害用-」は新設から既設コンクリート構造物まで幅広く使用することができます。また、効果の発現が早いため干満帯への施工も可能です。コンクリート内部に浸透してその表層部を改質するため、外力による材料の剥がれの心配がなく、桟橋下面や臨港道路の橋脚等、飛沫や波が作用する場所にも適用可能です。
なお、適切な塩害抑制効果を確保するため、販売と施工はT&C防食工法協会会員が行います。施工は、素地調整から2種類の液体の塗布まで3日間で完了します。
「T&C防食-塩害用-」は、対象施設の用途・種類を問わず、土木・建築のあらゆる鉄筋コンクリート構造物に対し適用可能です。NETIS評価情報にランクアップしたことを受け、今後は、塩害対策が特に重要となる、沿岸域や積雪地域などにおける構造物の長寿命化にむけて、営業展開を図ると共に、構造物の長寿命化に向けた取り組みを行ってまいります。



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