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What's New

斜面スリット型透過式ケーソンを侵食対策工事に初適用
〜従来工法に比べ耐波性能を向上 工事費を1〜2割削減〜

2010年07月02日

五洋建設株式会社(社長:村重芳雄)は、波の力を抑制して海岸侵食を防ぐ新型海域制御構造物「S-VHS工法」を開発し、富山県黒部市において、本年度より国土交通省北陸地方整備局発注の下新川海岸生地新型離岸堤工事(高度技術提案型総合評価方式)にこの工法を初適用して施工を開始しています。工期は平成23年12月までで、海岸堤防から約50m沖合に、11函のケーソンからなる全長100mの新型離岸堤を設置する予定です。

従来工法の「VHS工法」は、堤体にスリット(切れ目)を設けることによって、波の力を分散させるとともに、波同士を衝突させることによって、波のエネルギーを4割以上カットする工法です(反射率0.5以下、透過率0.6以下)。さらに、海上での施工作業が少なく、メンテナンスフリーという利点があるなど、様々な特徴を備えているため、これまでに多くの実績を残してきました。

従来工法と新工法の比較

S-VHS工法イメージ図
S-VHS工法イメージ図

新工法である「S-VHS工法」は、堤体の上部を斜面構造とすることで、従来工法と同じ消波性能を保ちつつ、高波浪に対する耐波性能を向上させました。

図1に示すように、まず、斜面構造によって波の一部が上方に分散され、波力が低減します。次に斜面作用分の波が、水平波力と鉛直下向波力に分力されるため、水平波力や揚圧力(下から上に向かう力)が低減されます。

これにより、堤体や鋼管杭を小さくできるので、従来工法「VHS工法」に比べて工事費を1〜2割抑えられます。また、堤体の高さが低いため景観性に優れているとともに、海水交換も促進されます。

図1 S-VHS工法のメカニズム
図1 S-VHS工法のメカニズム

当工法は、すでに国土交通省が所管する土木研究センターより「建設技術審査証明書」(建技審証 第0809号)を取得しています。

日本全国で海岸の侵食が進行し、海岸線が後退しつつあります。また、波浪による深刻な被害も発生しています。当社では、沿岸海域の保全と国民の安全・安心の確保に寄与すべく、今後も技術開発を行っていくとともに、提案営業に鋭意取り組んでまいります。



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