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このページは、ホームの中のWhat's Newの中の2006年の中の新開発のスラブ補強工法を実構造物に試験適用のページです。

What's New

新開発のスラブ補強工法を実構造物に試験適用
〜良好な施工性・補強効果を確認〜

2006年03月09日

スラブ補強工法研究会 〔構成会社:株式会社鴻池組・五洋建設株式会社・株式会社錢高組・大日本土木株式会社・飛島建設株式会社・高周波熱錬株式会社の6社〕は、新開発のスラブ補強工法をこのほど錢高組東北支店社屋のリニューアル工事で試験適用し、良好な施工性や補強効果を有していることを確認しました。

従来、剛性不足やたわみ過大などの障害が生じている既存スラブの補強方法としては、H鋼による小梁の増設や、スラブ下面からの鋼板の貼り付けなどの方法が一般的でした。しかし、これらの方法は使用する部材が重く、また、床下に配管等がある場合は、一旦これを撤去し工事後に復旧する必要があるなど施工性に問題がありました。 そこで、6社はスラブ補強工法研究会を2005年4月に組織し、コンバージョンやリニューアル工事を対象とした、施工性がよく安価なスラブ補強工法の開発を進めてきました。

開発した工法は、スラブの下面に2本の鋼製束を設置し、スラブの一方の端部から束の頂部を通って反対側のスラブの端部をつなぐようにプレートやPC鋼棒を配置し、PC鋼棒を緊張することによってスラブの補強を行うもので(特許出願中)、たわみの解消・剛性向上・振動性状改善を目的としています。

従来のH形鋼補強や鉄板貼付工法と比較して次のようなメリットがあります。

  1. 設備配管を避けて設置可能なので配管の撤去不要。
  2. 工期が短い(あと施工アンカー設置後、1組の補強部材を取り付けるのに要した時間は1時間足らず)。
  3. 補強部材が比較的軽量なため、作業性・安全性に富む。
  4. ターンバックルによりPC鋼棒を緊張するので張力導入が容易。

研究会では、本工法の構造実験でスラブ剛性や耐荷重性能の向上、たわみの改善に効果があることを確認しています。

このたび本工法を、 研究会構成会社である錢高組東北支店社屋のリニューアル工事に試験適用しました。対象建物は1964年に竣工したRC造3階建てで、竣工当時に比べ2・3階のオフィス床の積載荷重が増加したため、歩行時の振動がやや過大になっていました。本工法により1組の補強部材で歩行時の振幅が約3割減少し、床の剛性向上が確認されています。

本工法による補強効果を確認できたことから、研究会では今後、補強部材の仕様の詳細検討や設計手法・性能評価ならびにコスト分析を行い、工法の実用化を進めて行きます。

新工法補強部品
新工法補強部品
新工法による工事状況
新工法による工事状況

補強計画断面図
補強計画断面図

新工法による補強状況(塗装後)
新工法による補強状況(塗装後)



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