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What's New

焼却施設解体工事で煙突の発破解体を完了
〜ダイオキシン規制強化後、焼却施設で初となる煙突発破解体
安全でスピーディな解体を実現〜

2005年11月10日

五洋建設を含む建設共同企業体は、北海道室蘭市で施工中の旧御崎清掃工場解体工事において、発破による煙突の倒壊式解体工法を採用し、去る10月22日に倒壊作業を実施しました。劣化が顕著な高さ64mのRC造煙突を安全でスピーディに解体するため、発破解体の専門技術者を擁して計画範囲内の位置に倒壊・着地させたもので、大型特殊重機や高所足場作業をともなう通常の解体方法と比べ、安全かつ効率的に煙突撤去を行うことができます。

工事概要

この工事は、ダイオキシン類ばく露防止対策要綱に基づき、3年前に稼働停止した旧御崎清掃工場の焼却施設を除染・解体するものです。当JVは解体工事を本年2月から進め、煙突以外の工場本体の解体は9月までに終えています。
RC造煙突の解体は、作業足場を煙突周囲に煙突頂部まで設置し、大型特殊重機や人力作業等により、頂部より少しずつ行うのが一般的です。しかし、対象となる煙突は建設後26年が経過しており、2003年の十勝沖地震などの影響もあり、劣化が著しくなっていました。そこで、煙突の崩落・倒壊の恐れがあることから大型機械による圧砕・解体は行わず、発破による倒壊工法を採用することになりました。
なお、煙突内部のダイオキシン類除染には、遠隔操作による除染・解体工法を採用が採用されました。煉瓦の除染・解体、その後の内部コンクリート除染を遠隔操作で行うことで、安全にダイオキシン類を除去しています。

発破解体の概要

今回の煙突発破解体は、煙突全体を粉々にする垂直解体ではなく、煙突片側の根本部分を爆薬でくさび形に発破し、「木を切り倒す要領」で工場敷地内に倒す転倒解体です。
倒壊方向と反対側の煙突躯体鉄筋を予めワイヤーソーで切断しておくことにより、煙突の倒壊方向を計画中心線から左右10度以内に制御しました。
爆薬は含水爆薬を採用しました。通常、爆薬といえばダイナマイトがイメージされますが、ダイナマイトは凍結すると少しの衝撃でも爆発することがあります。さらに不発が生じた場合、他の爆薬よりも処理作業に危険が伴うため、取り扱いが容易で確実に爆発する含水爆薬を採用しました。含水爆薬は水分を含む爆薬なので、雨天の影響もほとんど受けないメリットもあります。総使用量は9.8キロです。

発破解体対策

発破の際にコンクリート片等が飛散物するのを防止するため、爆薬装填部には防爆シート、ロックネットを2重に設置しました。さらに、倒壊方向以外の3方向を足場で囲い、シート、ベニヤ板を設置するなど周辺への飛散防止対策を施しました。
また、倒壊着地時の騒音・振動を抑制するために倒壊位置に幅2〜4m、高さ2mのサンドマットを設置しました。

倒壊の様子倒壊の様子
(クリックで拡大)

発破実施状況

当日は小雨模様でしたが、発破作業に影響はありませんでした。発破によってゆっくりと傾いた煙突は西側にわずか5度ずれただけで、計画範囲内に着地しました。飛散防止対策により、周辺への飛散物はなく、サンドマットによる振動低減対策等により、振動,騒音共に当初の予測値以内に抑えることができました。煙突のコンクリートは、倒壊時に衝撃によって砕けるため、倒壊後のコンクリート塊撤去作業も効率的に行うことができます。

発破解体のメリット

一般に高さ40メートルを超える構造物の解体は、通常の解体重機が使用できず大型の特殊重機が必要です。そのため解体だけでなく、足場の設置撤去も高所作業となるため危険が伴います。作業足場は解体作業中設置されたままであるため、台風や地震などの自然災害による倒壊の危険性も懸念されます。
発破による倒壊工法の場合、発破作業は1日で完了する上、高所作業は発生しないため、高い安全性を実現できます。倒壊後のコンクリート塊撤去作業は、煙突本体で2〜3日、コンクリートの基礎部分も含め1週間程度で終えることができるので、通常の煙突頂部からの解体(約1ヶ月)に比べ大幅に工期を短縮することができます。

発破による煙突倒壊は、ダイオキシン規制強化後の公共工事では日本初となる希少な作業で、このほど煙突を含めたすべての施設撤去と整地なども終えました。
発破解体の専門技術者を擁する五洋建設では、今回の実施を機に発破による煙突解体を焼却施設解体工法のメニューラインナップに加え、構造物の劣化状況や敷地条件、工期やコストなどの条件に応じた提案に活用していきたいと考えています。



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