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What's New

3次元動体位置管理による平置き倉庫在庫管理システムを開発

2005年08月31日

五洋建設株式会社(社長:鉄村 和二郎)とエイ・アイサービス株式会社(社長:溝口豪、本社:東京都中野区、TEL:03-3320-0920)は、ラックなどがない平置きの物流倉庫向けに、フォークリフトで運ぶパレット貨物の所在管理のみならず、パレット貨物の製品情報も把握する「平置き倉庫在庫管理システム」を共同開発し、このほどプラスチック成形加工メーカー工場内の実証実験で効果を確認しました。大掛かりな固定設備を追加することなく、どの製品のパレットがどこに置かれているのか所在確認を自動的に行なえるので、効率的な在庫管理や入出庫指示、設備投資計画支援が可能となります。

開発の背景

床面だけの平置き式やラック式倉庫などローコスト倉庫であっても、リアルタイムの在庫管 理ができれば収納効率や作業効率は向上し、物流施設としての競争力を高めることができます。しかしながら、入荷するパレット貨物が出荷予定に合わせること なくバラバラに段積みされたり、保管場所が明記していない入出荷伝票のみによる作業指示などなされた場合、ベテラン作業者や貨物を置いた本人でなければ保 管場所が分からないといった問題を生じさせてしまいます。
そこで、作業者やフォークリフト、パレット貨物の位置情報や貨物の中身などがリアルタイムに把握できれば、貨物の正しい移動指示を行なえることとなり、誰もが探すのに手間取ることもなく、収納効率や作業効率を高めることができます。

システム概要

「平置き倉庫在庫管理システム」は、新たに構築した無線LAN車載端末を利用した在庫製 品情報データベースと、2004年6月に2社が共同開発した3次元動体位置管理による物流調査システムの基盤である人や物の動体位置計測機能とをリンクさ せ、パレット貨物の位置情報や商品情報をリアルタイムに把握して倉庫管理を効率的に行ないます。
在庫製品情報データベースは、商品情報を倉庫搬入時にコンピュータ入力することにより、フォークリフトで商品を載せたパレットを移動させるだけで、在庫商品の位置情報や出庫予定日などを示した在庫一覧を得られるものです。
また、動体位置計測機能は、赤外線・超音波の送受信機を施設内天井および人やフォークリフト、台車などの移動体に設置し、その移動状況を離れた場所にある バーチャルリアリティ上の3次元建物モデル内に表示して、リアルタイムに移動状況を確認するものです。これでフォークリフトを使って移動したパレット位置 も把握します。

システムフロー

工場で造られた製品をパレットに積む時点で、商品コードや商品個数、搬送先や入庫日、出庫予定日などの各種情報をパソコン入力し、それを基にバーコード付きの商品ラベルをパレット貨物単位に貼付しておきます。
一方、平置き物流倉庫のフォークリフトにはバーコードリーダーや無線LAN車載端末表示器、パレットセンサー、赤外線・超音波の送・受信機を取り付け、倉庫天井にも送・受信機を設置します。
パレット貨物を平置き倉庫に搬入する際、フォークリフトのドライバーはパレット貨物に貼られたラベルをバーコードリーダーで読み取るとともに動体位置計測機能でパレット位置を把握し、パレット単位の商品情報と移動情報をフォークリフト上の端末表示器に表示します。

システムのメリット

パレットをフォークリフトに載せただけで、次に何をすべきかコンピュータから自動的に指示が出されます。

  1. これまでの紙伝票受け渡しによるフォークリフトドライバー任せの作業プロセスにかわり、コンピュータ内で自動計算された効率的な作業プロセスで業務を行えます。
  2. 作業場所と離れた場所でも作業状況や長期滞留品のチェックができるので、フォークリフトドライバーだけでなく、管理者側でも入出庫状況の管理を行なえます。
  3. 入出庫履歴やフォークリフト動線データなどを活用して稼動シミュレーションを行ない、設備投資計画に活かすことができます。

実証実験結果

プラスチック成形加工メーカーの小野産業(株)西方工場(栃木県上都賀郡西方町)の協力を得て、家電向け部品の成型仕掛品を次工程に送るまでの一時保管エリア 約710m²に本システムを導入し、フォークリフト10台を稼動させて約1秒間隔でデータを取り24時間計測を行ないました。
その結果、一時保管エリア出入口部でバーコードを読みとり、製造ロットや仮置き場の指定、仕向け先、製造年月日などがフォークリフトに取り付けた無線端末 器に表示され、リアルタイムに製品の在庫情報が作成されるとともに、所在位置についても誤差約30cmの精度で把握することができました。
また、ドライバーがあらかじめ決められた以外の場所にパレットを置こうとした場合、仮置きなのか作業ミスであるのか確認を求める画面表示となり、さらに決 められた置き場でないところにパレットが置かれれば画面上で色分けされるなど、在庫管理に必要な情報が正しく表示されることを確認しました。事務所側パソ コンでも、倉庫内の仮置き商品一覧、日付別出荷商品の一覧、正規の仮置き場にない不明商品の一覧、エリア別商品の一覧をリアルタイムに確認できています。

今後、開発2社はセンサー精度の向上や通信プログラムの改良で機能アップを図って いくとともに、五洋建設では倉庫・流通施設向けの提案メニューに本システムを加え、調査・改善やシステム設計など顧客支援ツールとして活用しながら、建設 工事受注に繋げていきたいと考えています。



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