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What's New

ブレース不要の耐震補強工法で建築技術性能証明を取得
〜既存建築物に工法初適用、適用範囲拡大へ構造実験も実施〜

2005年05月19日

五洋建設株式会社(社長:鉄村和二郎)らPG耐震補強システム研究会〔企業4社で構成〕 は、大阪大学大学院工学研究科の今井克彦教授とともに共同開発したブレース(筋交い)不要の耐震補強工法「Portal Grid(ポータルグリッド)工法)」について、建築技術性能証明を公的機関から取得しました。建物外観を損ねず短期で耐震補強が可能なことから、 マンション、事務所ビルへの実適用のほか、近く病院の耐震補強にも適用される予定で、本工法の適用範囲拡大を目指した実験もこのほど開始しました。

鉄筋コンクリート(RC)建物のうち、比較的耐震補強が進んでいる小中学校の校舎以外で補強を要する公共施設が二万棟弱、民間施設は数十万から百万棟あるといわれ、これらの補強・リニューアルは急務となっています。しかしながら、ブレース(筋交い)を使った耐震補強は高い耐力が確保される反面、使い勝手や既存建築物の外観を損ねるなど資産価値低下の問題があり、それが耐震改修を阻む要因ともなっています。

本工法はH形鋼鉄骨をRC構造の柱梁に添わせて外付けしブレースを不要とした工法です。従来不可欠とされてきた鉄骨系補強の際のブレースを省いても、十分な耐震性能を実現できる、他に類を見ない画期的な耐震補強工法です。
本工法の特長は次の通りです。

  1. ブレースが無いので内部からの眺望を阻害せず、窓の視界を完全に確保できます。ベランダ等への出入りも支障なく、外部側の景観もすっきりしています。
  2. 外付け補強なので、建物を使用しながらの施工も可能です。
  3. 鉄骨補強を足がかりに建物外観のリデザインが可能なので、耐震補強と共に新しい建物に生まれ変わらせることもできます。
  4. ブレース取り付けのための複雑な鉄骨加工がいらず工期短縮が図れるので、コストダウンに寄与します。
  5. H形鋼とRC骨組みとの接合部間隙に充填するための超ローコスト高流動モルタルの開発により、コストダウンにも寄与します。

2002年11月に本研究会と大阪大学工学部が共同開発を果たして以来、性能実証のための実験を積極的に行ない、このほど財団法人日本建築総合試験所から本工法について建築技術性能証明を取得(第04−16号、2005年3月)しました。震度7クラスの地震に耐える本工法の性能が公的に認められたものです。

本工法は、五洋建設が施工した2件の耐震改修工事に初適用され、いずれも本工法の目標である10%程度の工期短縮(ブレース工法比)を果たしてい ます。また、現在鹿児島で改修工事中の病院でも、6月に本工法を使った耐震補強に着手の予定です。そのほか学校、福祉施設、百貨店などにも本工法の適用を計画中です。

なお、本研究会では建築技術性能証明適用範囲のさらなる拡大(建物重さが2割増しの場合)を目指し、五洋建設技術研究所内で構造実験を開始しました。本工法で補強した試験体(柱)と補強を施していない試験体(柱)を使って載荷実験を行ない、剛性や耐力、破壊性状などの補強効果を把握するものです。建築技術性能証明取得を機に、既存建物を美しくかつ強く蘇らせる耐震補強工法として、本工法の一層の普及を目指してまいります。

工事例

施工前施工前
(クリックで拡大)

施工中施工中
(クリックで拡大)

施工後施工後
(クイックで拡大)

工事実績

(1)集合住宅:
渋谷藤和コープ(東京都渋谷区、1971年築)
2004年12月竣工
SRC造地上12階建 延床面積7,420m²

(2)事 務 所:
第2光ビル(大分県日田市、1978年築)
2005年3月竣工
RC造地上6階建 延床面積1,984m²

<PG耐震補強システム研究会会員一覧>
株式会社森林経済工学研究所
五洋建設株式会社 建築エンジニアリング部
高周波熱錬株式会社 開発企画部
株式会社金山工務店 経営企画本部



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