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What's New

工事海域の全船舶運航安全管理システムを開発
〜工事船舶と一般船舶位置の一元監視で海上工事を円滑に〜

2005年02月22日

五洋建設株式会社(社長:鉄村和二郎)は、船舶作業を伴う海上工事の安全性と作業効率の向上を目的として、船舶に搭載した海上レーダが捕らえた海域状況や海上レーダに連動したデジタルカメラ画像情報、海域地図を合成処理し、遠隔地からも工事船舶のみならず工事海域周辺を航行する一般船舶の運航状況を把握できる 「工事海域運航安全管理システム」 を開発しました。海上のレーダ船を活用して工事海域の全船舶を一括監視するシステムは建設産業でこれが初めてです。

開発の背景

従来の中小規模な海洋工事における運航管理システムでは、土運船などの工事船舶にGPS(全地球測位システム)や通信システムを搭載し、現場事務所には管理装置を設置して、各船舶から伝送される測位データや地図および施工データベースを合成し、工事船舶の運航状況を管理してきました。
一方、工事海域やその周辺の工事に関係しない漁船やフェリー、コンテナ船など一般船舶の運航状況については、工事従事者が工事船舶や警戒船から直接目視確認をして把握していました。
しかし、この方法では一度に工事海域全体を把握することが難しいことから、工事海域の全船舶運航状況を一括してタイムリーに把握でき、安全に工事船舶の運航管理を行なえるシステム開発が望まれていました。

開発システムの概要

今回開発したシステムは、当社がこれまで運用してきた運航管理システムに船舶レーダシステムを組み込み、工事海域で管理用に専用GPSを搭載した工事船舶だけでなく、一般船舶の運航状況も現場事務所で集中管理するものです。現場事務所内で工事船舶と一般船舶を一括監視しながら、工事船舶の運航管理を安全で効率よく行なうことができます。
レーダシステムを組み込む船舶をレーダ船とし、レーダ、GPS、方位計、デジタルカメラなどで構成されています。すでに現場内の警戒船や工事船舶にレーダ、GPS、方位計などを搭載している場合は、旋回式デジタルカメラを追加設置します。これら工事船舶からレーダ情報とデジタルカメラ画像をFOMAネッ トワークで現場事務所へ送信します。パソコン上でレーダ画像と地図をあわせた合成データを作成し、工事海域の工事船舶と一般船舶の運航位置を表示します。 また、レーダと方位に連動して撮影されたカメラ画像を並べて表示することで、対象船舶を映像で確認することができ視認性の向上を図っています。

↓レーダ画像と地図を合成処理し、
レーダと方位に連動したカメラ画像をパソコン画面に表示した例


↑本システムによる船舶運航監視のイメージ
(クリックで拡大)

システムの特長

全ての船舶の運航を一括監視

船舶運航管理の最新技術である船舶自動識別システム:AIS(=Automatic Identification system)に対応した船舶や、専用GPSを搭載した自工事船舶の運航状況に加え、他の一般船舶の運航も現場事務所で一括監視できます。

映像による監視で船舶の識別が容易

レーダ画像は、レーダ電波による反射物を映しだしていますが、データには船舶だけでなくブイ、波、漂流物なども含まれています。また船舶の種類、漁船、レジャーボートなのかということは識別できません。レーダと連動した海域上の船舶画像などを無線送信し、レーダ画像の塊だけではなくテレビカメラの映像情報も得られることで、船舶の識別が容易になります。

工事船舶への迅速な位置誘導が可能

各工事船舶の配船・作業指示および位置誘導を迅速に行えるので、作業効率と安全性が向上します。また、工事海域における船舶運航状況の情報がデータベース化されるので、事故発生時の原因解析に活用できます。

システム運用が簡便

用する海上レーダは小型である上、4kw以下のレーダは免許不要なので船舶に容易に搭載できます。すでにレーダを搭載した船舶であればオプション仕様で画像データを取り出すことが可能で、システム構成にあたり船種を問いません。また、独自の画像ノイズ処理方法の開発により、雨や霧などの気象条件に応じてレーダを直接遠隔操作することなく、現場事務所側での処理だけで最適な画像を得ることがで きます。(無線でレーダ本体を遠隔操作することは禁じられています)

今後のシステム展開

このほど、徳島での工事現場において、土運船や工事船舶に本システムを試験導入したところ、工事海域とその周辺海域にある工事船舶や一般船舶の円滑な監視を行うことができ、工事を安全に効率良くすすめることを検証できました。
本システムは高機能ながら小型で簡便性があり、中小規模の海上工事現場への適用も可能であることから、今回の実工事への適用を機に一層の普及を図る予定です。



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