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このページは、ホームの中のWhat's Newの中の2005年の中の焼却場の煙突汚染除去・解体技術を高度化のページです。

What's New

焼却場の煙突汚染除去・解体技術を高度化
〜狭隘敷地の煙突や高い煙突を効率的・安全に解体〜

2005年01月27日

五洋建設株式会社(社長:鉄村和二郎)は、汚染除去ロボットによる焼却場の煙突解体時に、天井走行式ホイストクレーンとリフトアップ装置でロボットを昇降させたり煙突躯体の解体を行なう 「煙突解体用昇降システム:PLUS(=Penta-ocean Lift-Up and down System)」 を確立しました。大型の移動式クレーンが不要で、狭い敷地でもロボットを使用でき、高さのある煙突の解体でも施工コストの低減を図れます。このほど三重県内の煙突解体工事に適用し、その性能も確認しました。本システムの確立で、工事条件や予算に応じた最適な煙突除染・解体方法の提案が可能となります。

これまで、当社の汚染除去ロボット(=ペンタクロース) は、 地上の大型移動式クレーンで煙突内に吊り下げられ、遠隔操作で煙突内の煉瓦解体・汚染除去が行なわれていました。しかしながら、工事の敷地や周辺道路が狭く大型クレーンの進入が困難な場合、ペンタクロースを使用できないという問題が生じます。また、最近の煙突解体で多く採用されている煙突外周に全面足場を構築する場合、高さのある足場構築には100トンクラス以上のクレーンが必要で、地上からの大型クレーンでの作業では施工コストの低減が難しい状況でした。

新たに確立した煙突解体用昇降システム:PLUSはこれらの問題を解決する技術です。煙突外周の仮設足場内にホイストクレーンを備えたフレームとリフトアップ装置を組み込み、リフトアップ装置でフレーム全体を昇降させることで、ペンタクロースや煙突躯体解体時の圧砕機を吊り下げての作業、さらには足場資材の上げ下ろしも行ないます。

 

システム概要と特長

仮設足場内3箇所に鋼製のリフトアップ装置を取り付け、その上部にホイストクレーンを組み込んだリフトアップフレームを設置します。ねじジャッキの機構で反力を得るリフトアップ装置で、フレームを仮設足場一段分(約1.8m)の高さに持ち上げると、下の仮設足場と上のフレームとの間に空間ができるので、そこに新たに仮設足場を組み入れます。これを繰り返すことでホイストクレーン付きのフレームが煙突頂部まで達します(リフトアップ機構の開発にはJFEシビル株式会社が協力)。
ホイストクレーンは吊り能力2.9トン、吊り上げ高さが70m以上ある天井走行式のモノレールホイストクレーンです。ペンタクロースを吊る場合は、煙突頂部のホイストクレーンを外周足場の外側に突き出し、地上からペンタクロースを煙突頂部の高さまで吊り上げて、外周足場内側の煙突口に引き込みます。

〔特長〕

  1. 仮設足場の構築・解体やペンタクロース、圧砕機の稼動に大型クレーンが不要なので、狭い敷地でもコストを抑えながら施工できます。
  2. 特別な昇降マストなどは不要で、一般的な足場資材を使用して行なうため、構築する足場に高さ制限が無く、高い煙突の解体にも対応できます。
  3. クレーンや圧砕重機のオペレータが不要となり省人化が図れます。
  4. 一般的な足場資材を使用しているため、移設時でもリフトアップ装置とフレームのみの運搬で済みます。

煙突解体用昇降システム:PLUS
<煙突解体用昇降システム:PLUS>
↑除染ロボットを地上から吊り上げた状態
(クリックで拡大)

また、当社の汚染除去ロボット(=ペンタクロース)にも、これまで付着物の除去に使っていたサンドブラスト式や高圧水洗浄方式に加えて、今回新たに「回転ブラシ式除染装置」を装備し施工コストの低減を図っています。対応可能な煙突規模は、内径が従来と同様800mm〜3500mmです。

 

装置概要と特長

ペンタクロースの油圧源で2つのブラシを水平回転させ、煙突内面の汚染を除去します。サンドブラスト式や高圧水洗浄方式のような供給ホース、高圧ポンプ設備が不要です。

〔特長〕

  1. ペンタクロースの操作のみで除染作業ができ省人化が図れます。
  2. 回転ブラシは乾式の除染方式なので水処理装置が不要でコストを抑えます。

回転ブラシ式除染装置
<回転ブラシ式除染装置>
(クリックで拡大)

本システムを使って、たとえば内径約3200mm、高さ55mの煙突を解体する場合、地上からクレーンを使う当社従来工法と比べ、汚染除去と煉瓦解体に要するコストを10%程度削減し、同じく汚染除去と煉瓦解体に要する日数を15%程度縮減できます。

なお、本システムの性能については、当社が施工する三重県南牟婁郡の紀南清掃センター旧焼却場煙突解体工事(発注: 南牟婁清掃施設組合、工期2004年9月〜2005年2月)で、高さ40m、内径1m〜3mのRC造煙突1本の解体に適用し確認しています。

このほか、既に国内でもう1件本システムの適用実績があり、従来のペンタクロースによる実績とあわせ、当社の煙突除染ロボットによる解体(解体中も含む)は8件(煙突9本)となりました。今後は、敷地規模、工事期間、予算などの条件に応じた最適な煙突解体工法の提案を行なってまいります。



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