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What's New

3次元動体位置管理による物流調査システムを開発

2004年06月02日

五洋建設株式会社(社長 加藤 秀明)とエイ・アイサービス株式会社(社長 溝口 豪、本社:東京都中野区、TEL 03-3320-0920)は、工場、倉庫、物流センター内で作業する人やフォークリフトの動きを3次元で把握し、作業状況を各種表示方法で再現しながら作業効率を分析する「3次元動体位置管理による物流調査システム」を共同開発しました。これにより、運営施設の業務効率改善のための調査を人手に頼ることなできるとともに、作業動線などのシミュレーションによって無理・無駄のない施設計画の立案が可能です。

開発の背景

生産工場や倉庫、物流センターでは、物品位置の正確な把握が施設の運営上重要で、自動ピッキング機能を持つ機械設備を導入し確実な管理と省力化を図っている例が多くみられます。一方、生産性の更なる向上には作業時間や人員配置の工夫など日々の業務改善や運用改善も必要で、そのためには配員検証など施設運営の現状を調査分析することが求められます。これまで調査分析は人手による目視調査や時間計測が主であるため、時間と費用がかかるばかりでなく計測ミスが生じる可能性が課題としてありました。

今回開発した本システムは、施設運営の調査を画期的に効率化するもので、人手による計測ミス、データ取得ミスを排除し、効率よく施設運営の状況を分析して、生産性・作業性の改善や施設リニューアルや新築時のシミュレーションに役立てられるシステムです。システム構成は次の通りです。

システム構成

3次元動体位置管理とは、赤外線・超音波の送受信機を施設内天井および移動体(人やフォークリフト、台車など)に設置し、その移動状況を離れた場所にあるバーチャルリアリティ上の3次元建物モデル内に表示して、リアルタイムに移動状況を確認するものです。機器は送信機、受信機、コントローラー、コンピュータサーバーで構成され、送受信機は100〜1500m²程度の室内への設置を想定しています。一般的な倉庫(天井高5m程度)では約25m²毎に受信機を1基設置し、送信機は1システムあたり30個まで据付可能です。これに音声認識システムを加え、移動体の位置のみならず作業者の作業中および待機状況の別を確認します。

この3次元動体位置管理を基盤として、物流調査システムでは、施設や人員配置の改善のために移動体の状況を分析したり、データから架空の建物内作業などをシミュレーションします。解析データとして施設内の人や物の移動状況を最短0.5秒ピッチ、最長3秒ピッチで記録し、作業状況がデータ化されます。人の動きについては、個人の識別と場所位置、向いている方向と作業状況(作業場所到着、作業待ち、作業開始の区別)が、時間とともに記録されます。本システムの機能と特長は次の通りです。

システムの機能と特長

  1. 作業動線表示機能
    人や物の移動軌跡を表示し、時間帯での軌跡に分割表示もできます。通路など特定場所の通行状況が時間帯別に一目でわかるため、混み具合や時間帯による集中度を把握でき、効率良い作業動線となるよう施設形状の検討や改善に役立てられます。
  2. 作業累積分析機能
    作業中の時間経過と移動距離が表示され、作業の集中や時間あたりの移動距離の変化を分析できるので、作業の平準化検討に役立てられます。
  3. 滞在時間体積表示機能
    人が陳列・保管棚や生産機械などのポイントにどのくらいの時間滞在しているのか、球体の大きさで表示します。どのポイントの滞在時間が多かったのか一目でわかり、売れ筋商品の陳列・保管位置や種類を検討に役立てられます。
  4. 立寄集計分析機能
    人が棚や生産機械などのポイントにどのくらいの時間滞在しているのか表形式で出力します。個人別にポイント別の立ち寄り回数と平均滞留時間、総滞留時間を表示するので、作業時間や滞在時間の比較検討ができます。たとえば、工場での1作業のサイクルタイム調査に利用し、シミュレーションをする上での基礎データとして活用することができます。
  5. 作業比率分析機能
    個人別に一定作業の作業時間や移動時間、仕事待ち時間の割合が表示されるので、人の歩行距離や通過時間の無駄を分析することができます。たとえば、工場内の一定作業で作業者の移動時間の割合が多い場合、建築計画や設備配置計画に問題があるとも考えられるため、計画修正を図れるなど無理や無駄の少ない施設計画に役立てることができます。
  6. タイムスタンプ分析機能
    一定時間の作業の中で、個人別に作業密度がバーコードスタイルの実線(タイムスタンプ)で表示されるので、作業の人的集中や時間的集中を分析でき、作業平準化のための人員配置に役立てられます。バーコードの色付き部分は作業中をあらわし、白抜き部分は移動や作業待ち状態をあらわします。

たとえば1500m²の一般倉庫に本システムを適用する場合、調査費用は120万円からを予定しています。費用には機器使用料のほか、調査分析のアウトプット及び簡単な改善例の3次元モデル提示が含まれています。

当社では、本システムを顧客開拓のためのコンサルティングツールとし、生産性向上をお望みの物流施設や倉庫、生産型工場をお持ちのお客様に対して、本システムによる調査を積極的に提案し、必要に応じて建物の修繕提案や建築計画の立案を行なっていきたいと考えています。

なお、本システムは物流計画や物流管理に役立つばかりでなく、スーパーマーケットでのお客様の行動調査に活用したり、医療福祉施設への入居者や目の不自由な方の行動支援などにも活用可能な、応用性の高い調査システムです。
また、本システムの基盤となる3次元動体位置管理についても、作業場所に人やフォークリフトがいる場合の危険警告システムとして適用したり、入退室が厳重管理される研究施設や危険区域の制御システムとしても応用できるので、これも今後幅広い事業分野に提案していく予定です。

なお、当社は物流調査システムを6月8日(火)から東京ビックサイトで開催される2004国際食品工業展に出展致します。


システムイメージ
〜移動体の送信機が位置情報などを天井の受信機に送信する様子〜
(クリックで拡大)



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