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What's New

ごみ焼却灰のリサイクル技術を実証
〜製造プラントとリサイクル材の安全性、有用性を確認〜

2004年03月12日

五洋建設株式会社(社長 加藤秀明)は、ごみ焼却灰から自然砂礫の代替材となる多孔質セラミック粒子を製造する 「焼却灰造粒焼成システム」 の実証試験を昨春から行ない、このほど実証プラントの運転安全性、リサイクル材の安全性と有用性を実証しました。

「焼却灰造粒焼成システム」は、焼却灰に含まれる大型雑物を選別除去し、乾燥、粉砕してから助剤を添加して造粒し、1000〜1050℃で焼成処理して安全なリサイクル材を製造する技術です。焼却灰中のダイオキシン類は熱分解され、重金属類は揮発分離及び不溶化されます。燃焼ガスは排ガス処理され、焼成時の廃熱は焼却灰の乾燥工程で有効利用されます。

リサイクル材は造粒時に粒度の調整が可能で、自然砂礫と同等の外観及び物理特性を有しており、路盤材や覆土材などの建設資材だけでなく、植物栽培や魚類飼育用の敷砂など幅広く利用できます。

実証試験は、平成14、15年度環境省次世代廃棄物処理技術基盤整備事業として、昨年4月から11月迄の8ヶ月にわたって鹿児島県・屋久島の一般廃棄物焼却施設(上屋久町美化センター)敷地内に設置した実証プラントで行ないました。

試験では、複数の一般廃棄物焼却施設から排出される3種の焼却主灰と1種の焼却飛灰を対象としました。1日あたり約1トンの焼却灰を受け入れて、30日間の24時間連続運転を含む100日間以上の運転を行ない、プラントの運転特性(連続運転時及び断続運転時の排ガス安全性、設備安定性、メンテナンス性など)とリサイクル材の品質(土壌安全性、土質特性、建設資材規格適合性など)を検証しました。

検証は、次世代廃棄物処理技術の第3者評価機関である財団法人廃棄物研究財団(理事長 杉戸大作)が行ない、その結果評価された内容は次頁の通りです。

  1. 幅広い含水率の焼却灰に対し安定運転が可能で、焼却飛灰についてもリサイクル材の安全性を確認することで適用が可能である。
  2. リサイクル材は土壌に関する重金属類の溶出基準、含有量基準、ダイオキシン類含有量基準、排水基準を満足し、自然砂礫の代替材としてリサイクル可能な性状である。
  3. リサイクル材は粒度調整が可能であり、路床材、下層路盤材、サンドドレーン材、サンドコンパクション材、人工軽量骨材の材料規格を満足する。
  4. 施設排ガス性状は、大気汚染防止法およびダイオキシン類対策特別措置法に定められる各基準値以下が達成されている。

製造されたリサイクル材は、路床材・路盤材として模擬道路で試験施工して資材性能を検証したほか、実工事においても試験材料として適用されています。
地方自治体発注の法面保護工事ではコンクリート細骨材として適用し、施工性やコンクリートの強度、劣化特性などについて、自然材料使用のコンクリートと同等であることを確認しています。また、民間発注の建築工事でも構造物壁面への土圧低減と透水層確保を目的に、透水性軽量裏込材として適用されています。
リサイクル材を植生土壌に使用した場合についても、様々な植物を用いた栽培実験を行なっています。野菜、果物、草花、芝生の良好な生育状況と、収穫物への重金属類濃縮が認められないことを確認しています。

「焼却灰造粒焼成システム」は、(1)プラントとリサイクル材の安全性、(2)リサイクル材の有用性、(3)既存の焼却灰再資源化技術(溶融固化)より安価、という特徴を持っています。

本システムの実運用規模は、現時点で焼却灰処理量が数トン〜50トン/日を想定しており、処理量1トン/日あたりのプラント設置費用は2500万〜4000万円を予定しています。また、ランニングコストも2〜4万円/トン程度と、既存の溶融固化方式に比べコスト低減が可能です。

最終処分場の需給問題やリサイクル機運の高まりなどを背景に、当社では今回の技術評価証取得を契機として、「焼却灰造粒焼成システム」の実設置を目指して積極的に受注活動をすすめてまいります。

以上


実証プラント
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リサイクル材
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路床材・路盤材など建設資材に使用
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植生土壌に使用
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