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What's New

液状化対策に用いる曲がり削孔工法を開発

2004年01月22日

五洋建設株式会社(社長 加藤秀明)は、ライト工業株式 会社(社長 佐丸雄治)と共同で、このほど既設構造物直下の液状化対策工法に用いる「曲がり削孔工法」を開発しました(特許申請中)。本工法は地上設置の 削孔マシンからカーブを描きながら削孔し、構造物直下を効率的に地盤改良する新しい削孔システムで、1994年の危険物の規制に関する法改正により、対策 が急務となっている旧法適用タンク基礎の地盤改良などに適用できる工法です。

液状化対策工法として、当社が独立行政法人港湾技術研究所とともに共同開発を果たした浸透固化処理工法 (※1) の 実工事適用は、浸透固化処理工法研究会(正会員12社、賛助会員4社)が2001年に発足して以来3年間で47件、改良総土量にして20万立方メートルを 越えています。しかしながら、浸透固化処理工法を既設構造物直下や供用中施設の直下地盤に適用する場合、従来の直斜削孔方式では未改良域が生じたり、立坑 構築スペースが必要になるという課題がありました。

本工法は、浸透固化処理工法の適用にあたり、地盤内を「曲がり削孔」することで従来技術の課題を解決するものです。既に全国各地(千葉、新潟、福井等)の 異なる砂質地盤で、総削孔距離8000mを越える本工法の実験を終え、細部の技術改良も行なって現在に至っています。また、削孔ラインの直線部と曲線部の 地盤で改良体の開削確認を行ない、浸透固化処理効果も検証済みで、新工法として十分な完成レベルに達している技術といえるものです。

本工法の特長は次の通りです。

  1. 二重管による連行削孔方式でポリエチレン管の引き込みが不要となり、一連の削孔作業完了後、ボーリングマシンは直ちに次ラインの削孔に移り、次々と連続施工を行うことができます。
  2. 施設や既設構造物の供用を止めずに、隣接した場所から対象物直下地盤を施工できます。
  3. 1本の削孔ラインから串団子状に複数の地中点を改良でき、効率的な施工が可能です。
  4. 1本の削孔ラインの中で、鉛直、水平など複数のカーブ施工に対応できます。
  5. カーブ施工の曲線半径は30m以上で制御でき、柔軟に施工できます。
  6. 絶対方位を計測する新開発の小型ジャイロで、削孔中のロッド位置を高精度に検出します。(100mの削孔実験で最終点は30cmの位置誤差)
  7. 先端ロッドの曲がり量や、上記ジャイロ位置などのロッド先端部データ等は、運転席でリアルタイムにモニタリング可能で、目標ルートを考慮した高度な誘導が行えます。

これにより、これまで液状化対策が難しかった既設構造物直下地盤への施工が容易になるとともに、工事費も従来工法に比べて約2〜3割削減できます。

なお、本工法は地盤中を精度良く削孔できることから、当社では将来、汚染土壌対策の分野や、各種非開削のパイプライン等の敷設、都市トンネルの補助工法などにも応用展開していく考えです。

※1浸透固化処理工法:溶液型恒久薬液を建物など構造物直下の地盤に浸透させ、地盤内の間隙水を薬液に置き換えることで液状化を防止する技術


曲がり削孔工法による既設構造物直下への浸透固化処理イメージ
(クリックで拡大)


曲がり削孔工法のシステムイメージ
(クリックで拡大)



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